就学前の子どもたちにとってはもちろん、働くお母さん・お父さんにとっても、なくてはならない存在の保育士さん。子どもたちが初めて接する“先生”として、社会性や年齢に合わせた体と心の成長を育む責任ある仕事を担っていることもあり、やりがいの大きさでも人気の職業のひとつです。
その一方で、「待機児童問題」や「潜在保育士(保育士資格を持っているのに、保育士として働いていない人)」が増えていることなど、保育に関わるさまざまな問題は社会的にも注目を集めています。
中でも深刻なのは保育士不足。その要因の一つと言われているのが給与事情です。そこで、保育士さんが年間どのくらいもらっているのか、その年収事情にスポットを当ててみました。
ご存知の通り、
保育園には認可と無認可(認可外)があります。認可と無認可の違いは、国が定める児童福祉法の基準(施設の広さや設備、保育士の数など)を満たしているかどうか。
さらに、給与の面にも違いがあります。認可保育園の場合、都道府県からの補助金が受けられるため、保育士の給与は安定していますが、補助金が受けられない無認可保育園の場合、園の運営費は保護者からの保育料のみで賄わなければなりません。
そのため保育料が高く、保護者の負担が大きくなり、入園者が少なくなると、保育士の給与も低くなってしまうケースも。ただし、
運営母体がしっかりしている保育園の場合は、逆に認可保育園よりも給与が高くなる場合もあります。
事実、総務省の平成28年「賃金構造基本調査」では、事業規模別の保育士の年収は、事業所規模が1000人以上で約361万円、100~999人で約348万円、
10~99人で約365万円と、一般的には事業規模が大きいほど年収が高いと思われがちですが、
意外にも100人以下の事業所の年収がもっとも高くなっているのは注目ポイントと言えるでしょう。
子どもたちの命を預かるという仕事内容、なかなか休みが取りにくい、延長保育の導入などにより就労時間が長いなどの職場環境からみても、
保育士さんの給与体系の改善が叫ばれるのは当然と言えます。 そんな保育現場から多くの声を受け、2017年、政府は保育士の待遇改善を実施しました。
全保育士の給与2%アップ(月額約6000円)に加え、主任以下の中堅層に新たな役職を設定。「副主任保育士」「専門リーダー」「職務別分野リーダー」と言った役職をつけることで
それぞれ手当を支給しました。
具体的な役職手当の金額は、
経験年数7年以上で月額4万円、経験年数3年以上で月額5000円程度。さらに、
2017年11月から保育士や幼稚園教諭の待遇改善策を新たに実施すると政府が発表するなど、保育士の給与・待遇の改善は進められており、働きやすさ、働きがいもさらに大きくなっています。
待遇面にはまだまだ問題はありますが、日々子どもたちの成長を間近で見ることができるなど、他の職種では得られない達成感や喜びにあふれているやりがいの大きな
保育士の仕事は、正社員としてだけでなく、パートとして働く方法もあるなど、ライフスタイルに合わせて働き方を選べるという大きな利点もあります。
例えばパートとして保育の仕事に携わる場合、平均勤務時間は5時間と短いため、
家事や育児との両立も可能。
さらに、正社員に比べ保育以外の
事務作業が少なく、子どもたちと触れ合う時間が多いのも特徴です。
勤務時間数によっては社会保険やボーナスはありませんが、パート保育士にも補助金を支給する取り組みも始まっているなど、働きがいのある環境づくりは進んでいます。
いつの時代も
女の子がなりたい職業アンケートで、常に上位にランクインする保育士。小さい頃憧れの職業だった、子どもが大好きだから子どもと関わる仕事がしたい、という方も少なくないはず。
これからの未来を、社会を担っていく大切な子どもたちの成長を支える重要な仕事だけに、待遇改善も進んでいます。
保育の仕事は、働き方や働く場所を選べば長く続けられる仕事。三幸保育カレッジでは、保育の現場をイメージしながら学べる講座や保育士試験対策講座などを開設し、保育士になりたい人を全力で応援しています。
諦めていた保育士への夢、叶えてみませんか。