保育試験 一問一答
1 | 浮腫 |
---|---|
2 | タンパク尿 |
3 | 血尿 |
4 | 低タンパク血症 |
5 | 高コレステロール血症 |
血尿
血尿はA群溶連菌の感染後にかかる急性糸球体腎炎の症状で4~10歳で見られます。
小児ネフローゼ症候群は腎臓の疾患で、浮腫、たんぱく尿、低たんぱく血症、高コレステロール血症が診断基準となっています。
児童とは、満18歳に満たない者をいう。
○
児童福祉法における児童は「満18歳未満の者」をいいます。
各法律の子どもの定義は資料集にまとめてありますので、確認しておきましょう。
乳児とは、満18か月に満たない者をいう。
×
乳児とは「満1歳に満たない者」をいいます。
乳幼児とはおおむね3歳までをいう。
×
児童福祉法に「乳幼児」との定義はなく、「乳児」と「幼児」に分類されています。
幼児とは、満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
○
幼児は「満1歳から小学校の始期に達するまでの者」をいいます。
少年とは、小学校就学の始期から、中学校卒業までの者をいう。
×
少年とは「小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者」をいいます。
冬期の室温は20~22℃に整え、必要に応じて暖房を使用する。
○
身体測定で風邪をひかせない様に室温には特に気を使いましょう。
年長児の場合は、羞恥心に配慮し、カーテンやスクリーンを用いる。
○
年長児になると、着替えを恥ずかしがる子どももいますので、配慮が必要になります。
継続的な計測では、測定する時間帯を一定にする。
○
継続的な計測では時間帯を一定にすることで、成長数値の誤差が少なくなります。
保護者に計測の日時と項目を前もって知らせる。
○
計測の日を保護者に前もってお知らせしておくことは、必須です。
2歳未満児の身長計測では、担当者1名で乳児用身長計を用いて計測する。
×
2歳未満児の場合は、仰向けの体制(仰臥位)で、2人体制で行います。
健康とは、完全な( A )、( B )及び( C )福祉の状態であり、単に( D )又は病弱の存在しないことではない。
健康とは、完全な( 肉体的 )、( 精神的 )及び( 社会的 )福祉の状態であり、単に( 疾病 ) 又は病弱の存在しないことではない。
WHOの健康の定義はテキストでも確認する事ができます。
人は、( A )という最も小さな単位の( B )に生まれ、日々の生活を送る。そして、( A )の中で人やものとの関係を広げながら成長し、自立し、( B )の一員 として生活を営むようになる。
日々の生活の中で、習慣化して身につける行為を( C )生活習慣とよぶ。食事、睡眠、排泄、衣服の着脱、清潔などの( C )生活習慣は、子どもが日々の生活を繰り返し行う中で、( D )を通して身につけていき、自然に生活の一部になっていく部分が大きい。
子どもの( C )生活習慣の習得には、家族や保育者の養護が必要である。まわりの大人の生活を手本にして、子どもはそれを( E )することで生活の仕方を学んでいく。
人は、( 家庭 )という最も小さな単位の( 社会 )に生まれ、日々の生活を送る。そして、( 家庭 )の中で人やものとの関係を広げながら成長し、自立し、( 社会 )の一員として生活を営むようになる。 日々の生活の中で、習慣化して身につける行為を( 基本的 )生活習慣とよぶ。食事、睡眠、排泄、衣服の着脱、清潔などの( 基本的 )生活習慣は、子どもが日々の生活を繰り返し行う中で、( 経験 )を通して身につけていき、自然に生活の一部になっていく部分が大きい。子どもの( 基本的 )生活習慣の習得には、家族や保育者の養護が必要である。まわりの大人の生活を手本にして、子どもはそれを( 模倣 )することで生活の仕方を学んでいく。
子どもの生活習慣の取得についての記述でしたが、保育士の基本的な理念を理解していれば答えられる語句になります。
1 | 身長 |
---|---|
2 | 体重 |
3 | 下肢長 |
4 | 胸囲 |
5 | 頭囲 |
下肢長
四肢の状態の評価はありますが、下肢の長さの計測はありません。
乳児期では、全身の観察に加えて哺乳量測定、体温測定が重要である。
○
哺乳量の測定や体温は適当か等のチェックは非常に重要です。
幼児期では、体調に関して自らの言葉で表現できるようになるが、必ずしも正確ではない。
○
幼児期の語彙では、正確に伝えることが難しいでしょう。
全身の様子として活発さ、機嫌の良さ、遊び具合などを観察する。
○
元気があるか、ぐったりしていないか、等を観察します。
顔の観察では、顔色以外に眼の様子(白目の充血、目やにの有無など)、唇の色、口臭の有無にも注意する。
○
普段と変わった様子はないか、細かいところまで気を配りましょう。
排泄については、排尿の回数、尿の量や色にも注意を払う。排便も同様であるが、色調、臭いの変化にも注意する。
○
元気そうに見えても、尿や便で体調の変化に気付くことができます。
昼寝の時間には、気持ちが落ち着くような雰囲気をつくるため、絵本を読んだり、音楽を流したりすることは避ける。
×
リラックスする様な絵本や音楽は睡眠に導入しやすい場合もあります。
機嫌が悪い、元気がない場合は、気分を変えるために沐浴を行う。
×
普段の様子と少しでも違う時は沐浴は避けましょう。
歯磨きに興味を持ち、習慣をつけるために、食事後に歯ブラシをもたせて自由に遊ばせるとよい。
×
歯ブラシを遊び道具にしてはいけません。喉をついてしまう可能性があります。
手洗いに用いる石鹸は、不潔になりやすい液体石鹸より固形の石鹸がよい。
×
液体石鹸の方が1回ずつ適量が出て石鹸自体が多くの人の手にふれませんので、手洗いに適しています。
排泄は、夜間より昼間の方が、また排尿より我慢しやすい排便の方が早く自立する。
×
夜間より昼間の方が排尿は自立しやすいですが、排便よりも排尿の方が自立しやすいといった傾向があります。
性染色体には、X染色体とY染色体とがある。
○
性染色体にはXとYがあります。
染色体の組み合わせでジェンダーは決定する。
×
生物上の雌雄と異なり、ジェンダーは文化的に形成される男女の差異で、男らしさ女らしさといった社会通念においての一般的な性別観を意味する言葉です。染色体の組み合わせではジェンダーは決定しません。
性指向性と性別同一性は必ず一致する。
×
性指向性とはそれぞれの性別への恋愛対象をいい、性別同一性とは自分がどの性別に属しているのかといった意味で、この二つは必ずしも一致するわけではありません。
ジェンダーの形成には生物学的要因だけでなく、心理社会的な要因が影響する。
○
男らしく、女らしく、といった社会的文化的に形成された性差をジェンダーといいますので、心理社会的な要因が影響しているといえます。
心的外傷的出来事のほぼ全てあるいは一部を、遊びで再演する場合がある。
○
PTSDの子どもは遊びで再演する場合があります。そういったことからストレスの軽減を図っているともいわれています。
両親間の暴力の目撃は、心的外傷とはなり得ない。
×
両親間の暴力を目撃することはDVにあたります。児童虐待の防止等に関する法律の中にも定義があります。
親が生命にかかわる事故に遭ったことを幼児が知ることは、その子どもの心的外傷となり得る。
○
強い不安を感じることは心的外傷となり得ます。
幼児の場合、解離症状は起こらない。
×
つらい体験をしたときに感情を自分自身から切り離して逃避することをいいます。幼児期にも起こりうる症状です。
排泄障害には、夜尿症、昼間尿失禁、遺糞症などがある。
〇
糖尿病、尿路感染症によるものが含まれる。
×
排泄障害は、きちんと排泄が出来る年齢になったにもかかわらず、排泄することができない状態をいい、糖尿病や尿路感染症といった病気を伴った場合とは異なります。
心理社会的な問題によるものが含まれる。
〇
長期的な排泄の問題は、子どもの自尊心の低下を招かない。
×
排泄の問題が長期化すると子どもにもストレスが生じ、自尊心を傷つけます。排泄のタイミングや年齢を見極める必要があります。
【事例】
K君(2歳1か月、男児)は、2か月前から保育所に通所している。K君は、保育所で明るい表情をほとんど見せず、どの保育士が関わろうとしても、拒絶するか、無視をしていた。K君のこれらの様子から、保育所は児童相談所に連絡した。その後の児童相談所の調査によると、K君は少なくとも10か月前から重度のネグレクトを受けており、食事は与えられ、清潔は維持されていたものの、日中、夜間ともにほとんど子ども部屋に一人で閉じ込められていた。
【設問】
この子どもで最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。
1 | 脱抑制性愛着障害 |
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2 | 反応性愛着障害 |
3 | 選択性緘黙 |
4 | 反抗挑戦性障害 |
5 | 哺育障害 |
反応性愛着障害
ネグレクトや心理的虐待などの不適切な環境によって育った子どもに現れる反応性愛着障害の典型的な症状です。
泣き入りひきつけ ― 一時的呼吸停止
○
泣き入りひきつけは、「憤怒けいれん」とも呼ばれ、生後6か月ころから4歳位までによく見られる症状で、激しく泣いたり驚いた時におこります。息を吐き切った状態で呼吸が止まり顔色が青白くなり、ひきつけをおこす状態です。
学習障害 ― 綴字の困難
○
学習障害はLDとも呼ばれ、知的発達に遅れは無いものの、読み書きや話す聞くことが難しい状態をいいます。
自閉スペクトラム症 ― こだわり
○
特定の物事へのこだわりが強く柔軟な対応ができない、人との相互的な意思疎通や状況に応じた適切な行動がとりにくい、といった自閉症の特性を示す発達障害の総称をいいます。
AD/HD ― 不注意
○
ADHDとは注意欠陥多動性障害と呼ばれ、不注意や多動性、衝動性が見られます。
機能的遺糞症 ― 便秘
○
機能的遺糞症とは、4歳ぐらいからの排せつ機能が自立する年代において、トイレではなく下着の中や床の上など、本来してはいけない場所や状況で排便をしてしまう排せつ障害のことをいいます。便秘を放置すると排便時に苦痛を感じて排便を我慢するようになったり、遊びに夢中になるなどして便意を我慢することを続ける等、一般的には便秘を伴うことが多く、慢性的な便秘のほか心理的ストレスが原因となっています。
咳はよく見られる症状である。咳そのものは、体の負担になるためすぐに咳止めを用いるよう、保護者に説明すると良い。
×
薬のアレルギーがある子どももいますので、保育士の判断で薬を勧めるのではなく、医者にかかる様に勧めましょう。
下痢は乳児ではよく見られる症状であるので、そのまま様子を見る。
×
単に食べ過ぎや飲みすぎではなく感染症にかかっている事もありますので、医師に診せた方が良い場合かどうか、その時の子どもの状態をよく観察し、判断することが大切です。
嘔吐は細菌感染によるものなので、医師に抗菌薬を処方してもらうのが良いと保護者 に伝える。
×
医師にかかる事を勧めるのは良いのですが、嘔吐にも様々な要因がありますので保育士が「抗菌薬」と薬の種類を特定して処方してもらう事はありえません。
発熱とは平熱よりもおよそ1℃以上高い体温をいうが、平熱が37℃以上の子どもが38℃を超えた場合は発熱と考えて対応する。
○
子どもの平熱は個々で差がありますので、子どもごとの対応を心掛けましょう。
発熱して寒気のためふるえている子どもに対しては、頭だけでなく体幹部も冷やすと良い。
×
寒気がある間は体を温めます。冷やすのは熱が上がりきり汗が出てきてからです。
子どもは、低年齢なほど新陳代謝が盛んで運動も活発であるので、脈拍数や呼吸数は多く、体温は高めであり、尿量は多い。
×
子どもは低年齢なほど、尿量は少なくなります。その他は記述通り、低年齢ほど脈拍や呼吸数は多く、体温は高めです。
循環機能すなわち血液の流れ方は、出生を境に胎児循環から成人型循環へ移行する。
○
血液の流れは出生後、肺呼吸開始後、胎児循環から大人と同じ循環に移行します。
胎児は、胎盤を通して酸素を吸収するが、新生児になると肺呼吸を開始する。
○
胎児の間は羊水の中にいますので、胎盤を通して酸素を吸収しますが、出生後は産声を上げた後に肺がふくらみ、肺呼吸を始めます。
脳幹は、生命の維持に必要な心拍、呼吸、体温調節などの機能を担っており、出生時にほぼ完成している。
○
脳幹の働きは記述の通りで、出生時にはすでにほぼ完成しています。
大脳新皮質は、人間を特色づける知性の中枢であり、出生時にほぼ完成している。
×
大脳新皮質は脳の中でも高次機能を持つ場所で、言語や思考をつかさどります。出生時にはまだ完成おらず、乳幼児期に急激に発達します。
保護者は、入園面接時に生活管理指導表を提出しなければならない。
×
面接時の段階では生活管理指導表の提出は不要です。面接段階では口頭でアレルギーがある事を伝えるだけで十分です。
生活管理指導表は、保育所で新たに配慮が必要と思われた時は次年度の始めに保護者から提出してもらう。
×
生活管理指導表は保護者からの申し出により保育所が配付するものです。配付後、保護者に主治医や専門医に記入してもらう様に促します。医師の記載事項内容により保育所や保護者間で対応を決定します。新たに配慮が必要と思われた時にすぐに対応しましょう。
生活管理指導表の記載は、アレルギー専門医が行う。
×
アレルギー専門医だけでなく、主治医にも確認してもらいます。
生活管理指導表をもとに、主治医が保育所での生活全般について具体的な指示をする。
×
主治医は保育所での生活全般についての具体的な指示をするのではなく、アレルギーについての食事や気を付けることのアドバイスをします。
生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が、保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。
〇
予防接種とは、病原体やその産物を処理し、人体には害を与えないようにしながら免疫力を付与しようとするものである。
○
予防接種とはワクチンを接種することにより免疫をつけて病気にかからない様にすることをいいます。
予防接種として実際に用いるものをワクチンという。
〇
ワクチンには、病原体を弱毒化して、体内で増殖はするものの発症はさせない生ワクチンがある。
○
ワクチンには生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドがあります。不活化ワクチンは病原体の毒性をなくし、免疫をつけるのに必要な成分だけ取り出したものをいいます。トキソイドとは病原体の毒素を取り出して毒性をなくしたものをいいます。
わが国では予防接種の制度上、定期接種をするものと任意接種であるものに分けられる。
○
予防接種は定期接種と任意接種に分かれています。定期接種は予防接種法に基づき、対象者に市町村や保健所から通知をし公費により行うもので、任意接種は希望者だけが受け、費用は自己負担になります。
乳幼児において、「予防接種法」で定められた予防接種は、義務接種である。
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予防接種法で決められたものは義務ではありません。
空気感染とは、病原体を含む飛沫が乾燥し、感染力を保ったままで空気の流れに乗って拡散し、そのため空気を吸い込むことで感染することをいう。黄色ブドウ球菌がこれに該当する。
×
空気感染は問題文通りですが、黄色ブドウ球菌は空気感染ではなく、経口感染や接触感染によるものです。
飛沫感染とは、感染している人が咳やくしゃみをすると、口から病原体がたくさん含まれた水滴が飛ぶが、この飛沫を吸い込むことで感染することをいう。A群溶血性レンサ球菌、百日咳菌、インフルエンザ菌がこれに該当する。
○
飛沫が飛ぶ範囲は1~2mとなっています。
接触感染とは、感染源となっている人に触れることで起こるもので、直接接触感染(握手、だっこ、キス等)と、病原体が付着したものを介して起こる間接接触感染(ドアノブ、手すり、遊具等)がある。腸管出血性大腸菌がこれに該当する。
○
接触感染は病原体が鼻や口、目などを通して体内に侵入し、感染します。
経口感染とは、病原体を含んだ食物や水分を口で摂取することによって、病原体が消化管に達して感染が起こることをいう。フグによる食中毒はこの感染経路を取る感染症である。
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経口感染は問題文通りですが、食中毒は細菌やウイルス、自然毒(動物性や植物性)、科学物質等によるものがあります。フグの毒は動物性の自然毒で感染症ではありません。