保育試験 一問一答
生涯発達心理学とは、受胎から死に至る過程における行動の一貫性と変化を研究するものである。研究の目的は、生涯発達の一般的原理、発達における個人間の差異性と類似性、発達の可塑性とその限界等を明らかにすることである。
1 | マーラー(Mahler, M.S.) |
---|---|
2 | レヴィン(Lewin, K.) |
3 | メルツォフ(Meltzoff, A.) |
4 | バルテス(Baltes, P.B.) |
5 | ハヴィガースト(Havighurst, R.J.) |
バルテス(Baltes, P.B.)が提唱した生涯発達心理学です。バルテス(Baltes, P.B.)は発達は全生涯を通じて常に獲得(成長)と喪失(衰退)とが相互に関連しあって共在する過程であることとする「生涯発達心理学」を唱えました。
マーラー(Mahler, M.S.)は分離固体化理論を唱えました。
レヴィン(Lewin, K.)は社会心理学の父と呼ばれ、場の理論を提唱しました。
メルツォフ(Meltzoff, A.)は新生児にも記憶力があると唱えました。
ハヴィガースト(Havighurst, R.J.)はアメリカの心理学者で、発達心理分野において発達課題という概念を定着させました。
エリクソン(Erikson, E.H.)の( A )では、生物としてのヒトがある規則性をもって( B )に発達する一方、社会的に生きる人間がさまざまな心理・社会的な( C )に遭遇し、それを解決しながら発達するとみなされる。つまり、各発達期に固有な課題が、( D )な概念として提起され、肯定的概念が否定的概念を上回ることで、その課題を乗り越え心理・社会的に発達すると考えられている。
エリクソン(Erikson, E.H.)の( ライフサイクル論 )では、生物としてのヒトがある規則性をもって( 漸成的 )に発達する一方、社会的に生きる人間がさまざまな心理・社会的な( 危機 ) に遭遇し、それを解決しながら発達するとみなされる。つまり、各発達期に固有な課題が、( 対極的 )な概念として提起され、肯定的概念が否定的概念を上回ることで、その課題を乗り越え心理・社会的に発達すると考えられている。
エリクソンのライフサイクル論についてはテキストで、それぞれ発達段階での課題を確認しておきましょう。
マクロシステム ― 家庭と保育所の関係
×
マクロシステムは日本文化など社会全体の流れや考え方をさします。
ブロンフェンブレンナーの生態学的環境システムとは、人間を取り巻く環境を階層に分けて入れ子構造としてとらえ、子どもを円の中心と考えた時、一番近い順に、マイクロシステム、メゾシステム、エクソシステム、マクロシステム、クロノシステム、と分けたものをいい、環境が子どもの発達に大きな影響を与えていると示したものをいいます。
メゾシステム ― 保護者の職場
×
メゾシステムは家庭と保育所など2つ以上の相互関係からなる場をさします。
マイクロシステム ― 保育所
〇
マイクロシステムは保育所など、身近で直接的なやりとりの場をさします。
クロノシステム ― きょうだいの誕生
〇
クロノシステムはきょうだいの誕生など時間の経過の中での変化をさします。
エクソシステム ― 日本文化
×
エクソシステムは保護者の職場など、直接かかわりはないが、影響を受ける環境をさします。
他者が外界について本当だと思っていることを正しく推測できるようになる「心の理論」を測定するために、( A )がよく用いられ、( B )に獲得することが示されている。しかし、この「心の理論」の前駆体の一つとして、( C )頃に成立するコミュニケーションが注目されており、保育者との( D )を通した触れ合いが基盤とされる。
他者が外界について本当だと思っていることを正しく推測できるようになる「心の理論」 を測定するために、( 誤信念課題 )がよく用いられ、( 4歳以降 )に獲得することが示されている。 しかし、この「心の理論」の前駆体の一つとして、( 生後9か月 )頃に成立するコミュニケーショ ンが注目されており、保育者との( 共同注意 )を通した触れ合いが基盤とされる。
子どもの心の理論の発達を調べる課題としてサリーとアンの「誤信念課題」はテキストで確認しておきましょう。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた。
保育士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保育士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね。
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保育士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって。きりんしゃん はっぱ どうじょしたの。
保育士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの?すごーい。きりんさんには 葉っぱあげたのね。
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん。ダイオン ガオーって!
【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、正誤を○×で答えなさい。
・子どもの過去の出来事や体験の断片的情報から、保育士は意味のある語りを組み立てている
○
伝えたいという子どもの気持ちを大切にし、話を聞こうとする姿勢がうかがえます。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた。
保育士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保育士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね。
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保育士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって。きりんしゃん はっぱ どうじょしたの。
保育士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの?すごーい。きりんさんには 葉っぱあげたのね。
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん。ダイオン ガオーって!
【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、正誤を○×で答えなさい。
・子どもの発話に対し、保育士は拡充模倣をしている。
○
拡充模倣とは子どもの発した言葉を生かしながら、訂正した形での受け答えをすることをいいます。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた。
保育士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保育士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね。
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保育士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって。きりんしゃん はっぱ どうじょしたの。
保育士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの?すごーい。きりんさんには 葉っぱあげたのね。
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん。ダイオン ガオーって!
【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、正誤を○×で答えなさい。
・発声するための器官が未発達の子どもは、発音しにくい音を他音で代用したり、音順を入れ替えたりしている。
〇
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた。
保育士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保育士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね。
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保育士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって。きりんしゃん はっぱ どうじょしたの。
保育士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの?すごーい。きりんさんには 葉っぱあげたのね。
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん。ダイオン ガオーって!
【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、正誤を○×で答えなさい。
・子どもは会話に参加することを通して、どのように語るのかを学んでいくことができる。
○
拡充模倣により、正しい言葉使いを学んでいきます。
断崖があるように見える実験装置で、乳幼児が奥行を知覚できるか明らかにするために開発された。その後、他の研究者によって、乳幼児がなじみのない場面に出会い、どのように振舞ってよいか分からないときに、他者の表情や態度を参考にする社会的参照を確かめる装置としても用いられた。
1 | ヴント(Wundt, W.) |
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2 | キャッテル(Cattell, J.M.) |
3 | ハーロウ(Harlow, H.F.) |
4 | ギブソン(Gibson, E.J.) |
5 | ソーンダイク(Thorndike, E.L.) |
ギブソン(Gibson, E.J.)の視覚的断崖実験の説明文です。実験では床底が見える強化ガラスのテーブルの上にハイハイなど移動能力がある6か月児以上の乳児を座らせ、テーブルの向こうから乳児の母親に子どもを呼んでもらいます。ほとんどの子どもは母親に呼ばれても進むのをためらう反応を示したことから、乳児の時点ですでに深さを知覚できることの証明ができました。また、母親が不安で立ち止まった子どもに対して不安そうな表情をすると子どもは動かず、一方で「大丈夫だよ」という表情をして「おいで」と言うと、何割かの子どもは不安ながらもお母さんを信じて、ハイハイを進めたという結果があります。この実験により他者の態度や表情を参考にする「社会的参照」を確認することも出来ました。
ヴント(Wundt, W.)は実験心理学の父と呼ばれ、1879年にドイツのライプツィヒ大学で「心理学実験室」を開設しました。心理学が新しい学問分野として成立したと言われています。
キャッテル(Cattell, J.M.)はメンタルテストの命名者で、感覚能力、運動能力、記憶力など単純かつ基礎的と思われる精神能力を測定する 10項目を定めました。
ハーロウ(Harlow, H.F.)はアカゲザルの実験が有名です。テキストを確認しましょう。
ソーンダイク(Thorndike, E.L.)は「試行錯誤学習」の提唱者です。
高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。
○
縦断研究とは、同一の対象者を一定期間継続的に追跡し、いくつかの時点で測定を行って変化を検討する研究です。主に一回の調査を行う「横断研究」と、二回以上にわたり調査を行なう「縦断研究」があり、縦断研究の中で特に最初の調査の対象者集団をコホートと呼びます。
人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。
〇
過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。
×
問題文は結晶性知能に関する説明文です。流動性知能とは新たな環境や学習、変化する課題に適応する能力をいいます。流動性知能は青年期(20歳ごろ)を境に低下していくと言われています。
高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。
○
知能についてはテキストのコラムにも記述がありますので、確認しておきましょう。
一般に在胎期間は( A )の間であるが、妊娠初期から超音波断層法により、胎児の発育状態や動きを画像で見ることができる。胎動を感じるようになるのは( B )からであり、これは我が子という感情を母親にもたせることになる。この頃になると胎児の聴覚も発達し、母親の声の強弱、抑揚などを感知していることが( C )として明らかにされている。そうした胎児期の経験が( D )として新生児期においても継続している。
一般に在胎期間は( 妊娠37週から42週未満 )の間であるが、妊娠初期から超音波断層法により、胎児の発育状態や動きを画像で見ることができる。胎動を感じるようになるのは( 妊娠20週頃 )からであり、これは我が子という感情を母親にもたせることになる。この頃になると胎児の聴覚も発達し、母親の声の強弱、抑揚などを感知していることが( 心拍数や胎動の増加 )として明らかにされている。そうした胎児期の経験が( 聴覚記憶 )として新生児期においても継続している。
(a)手を握ったままかざして見つめたり、= ハンドリガード
…生後3か月頃にみられる動作です。
(b)興味や関心のあるものに手を伸ばす行動 = リーチング
…生後5か月頃にみられる動作です。
(c)物を介して同じ行動を繰り返すようになる。 = 第2次循環反応
…ピアジェの認知発達段階の感覚運動期のうちの一つです。生後4か月から9か月頃までにみられる反応で、おもちゃのガラガラを振ったり、シーツを引っ張るというように、物との関係において目と手の協応が成立することをいいます。
(d)ほしい物を手に入れるために様々なことをしてみるようになる。 = 試行錯誤…失敗を繰り返しながら様々な方法を試してみることをいいます。
他の子どもと一緒に同じ活動に関わる。
連合遊び
自分は遊びには参加せずに、仲間が遊んでいる様子を眺めたり、口をだしたりする。
傍観遊び
他の子どものそばで同じような遊びをしているが、互いに交渉はしない。
平行遊び
共通の目的をもって、他の子どもと協力したり役割を分担したりする。
協同遊び
きょうだい関係の交流に近い関わりを体験することができる。
〇
異年齢保育とは縦割り保育とも呼ばれています。近年、少子高齢化が進んでいる日本において1人っ子も多く、兄弟も含め異年齢の子と接触することが減ってきています。異年齢の子と接することで、それぞれの子どもの成長につながる保育環境といえます。
年上の子どもは、自分の思いを我慢したり、思いやりを示したりすることができる。
〇
子どもの技術・体力の差が大きいので、子ども同士のやり取りは成立しない。
×
年上の子は頼りにされることが嬉しいと感じ、年下の友だちを可愛がったり、困っているときに手助けをしてあげられるようになっていきます。年下の子は、「お兄さん」「お姉さん」に甘え、真似したいという気持ちと共にいろいろなことに挑戦したり、自らやろうとしたりする力が育っていきます。
年上の子どもをモデルに、新しいことに挑戦しようとする子どもの姿がみられる。
〇
・ 社会の価値や規範を身に付け、それに基づき社会の一員として行動できるようになる 過程を( )という。
・ 発達初期の( )の担い手は主に保護者といえるが、発達に伴いその担い手は保育士や教師等多様となる。
・ ( )の一方、その子らしさを育むことにも配慮する必要がある。
・ ( )は、人間の生涯を通じて行われる過程である。
社会化
(a)ストレスを引き起こす出来事や刺激 = ストレッサー
(b) 励ましや愛情など感情への働きかけ = 情緒的サポート
(c)問題解決のための助言・助力 = 道具的サポート
(d)精神的・身体的健康によい影響を与える効果 = 直接効果
(e)健康の悪化のプロ セスに対して作用する効果 = 緩衝効果
保育士は、福祉の専門職として基盤となる知識や技術の習得はもとより、他者への共感性が求められる。
○
保育士は、子どもはもちろんですが、保護者など様々な人と関わりが大切な仕事です。
「空の巣症候群」とは、情緒的に疲れ果て自己有能感が低下した状態で、保育士等の対人援助職に就いている人に多くみられる症状である。
×
「空の巣症候群」とは子どもたちが進学や就職、結婚などで巣立ってゆき、ひとり家庭に取り残された主婦が、空虚感や不安感、抑うつ感などにとらわれて心身の不調を訴える状態をいいます。
保育士としての職業生活は、個々人のアイデンティティの揺らぎや再構築に影響する。
○
エリクソンが提唱したライフサイクル論によると青年期ではアイデンティティ(自我同一性)の確立が発達課題としています。大人になってもアイデンティティが揺らいだり、再構築したり、とアイデンティティの確立は保育士としての職業生活のみならず生涯にわたるテーマとなっています。
軽い気分の落ち込みがうつ状態につながることがあるため、保育所としては、保育士の心の健康維持に留意する必要がある。
○
保育士が元気であることは子どもや保護者へ安心感を与えます。心身共に安定して業務につけるように保育所は保育士の心身の健康維持に留意する必要があります。
【実験場面】
月齢15か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。
【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて正誤を○×で答えなさい。
・ 再会場面では母親に駆け寄ったが、接触する前に踵を返して、もと居た位置に駆け戻った。この子どもの母親に対するアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。
○
このタイプは回避型と呼ばれ、愛着に不安定な部分があるといえます。
エインワーズのストレンジシチュエーション法とは母親との分離・再会の場面での反応からアタッチメントを3タイプに分けました。母親に対して安定した愛着を示す安定型の子どもは、分離時には非常に強い不安や混乱を示しますが、再会時には身体的接触を求め、簡単に落ち着く行動を見せます。心理的安全基地があり、積極的に探索行動を行うことに特徴があります。
【実験場面】
月齢15か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。
【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて正誤を○×で答えなさい。
・ 分離場面で泣いていたが、再会場面で母親に駆け寄りぴったりと抱き付いた。まもなく泣き止み、母親から離れて遊びだした。この子どもは、安定したアタッチメント(愛着)を持っていると考える。
○
このタイプは安定型と呼ばれ、一般的には正常な反応といわれています。
【実験場面】
月齢15か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。
【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて正誤を○×で答えなさい。
・分離場面でまったく泣かずにおもちゃで遊んでいたが、母親と再会すると3分間大声で泣き続けた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。
○
「分離場面でまったく泣かず」「再会すると3分間大声で泣き続けた」といった点において、愛着に不安定といえます。
【実験場面】
月齢15か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。
【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて正誤を○×で答えなさい。
・分離場面では立ったまま泣き続けていた。再会場面では、泣き止みその場に座り、おもちゃで少しの間遊んだが、再び泣き出し、泣きながら仰向けに倒れた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。
○
「再び泣き出し、泣きながら仰向けに倒れた」といった点において、愛着に不安定といえます。
段階説とは、親が子どもの障害を受容していく過程は長期にわたり紆余曲折するが、いずれは障害のある子を受容するに至り、心理的に安定するという説である。
○
段階説とは、障害受容の段階には一定のプロセスがある、という説です。ショック→否認→悲しみ・怒り→適応→再起、のプロセスに当てはまるといわれています。
慢性的悲嘆説とは、親の悲しみは一過性ではなく、子どもの成長に伴うさまざまな出来事によって繰り返されるという説である。
○
慢性的悲哀説とは、保護者は常に悲哀的な感情を抱いているということではなく、子どもの成長の節目などで「もし子どもに障害がなかったら」といった思いがわいてくる状況をさします。
螺旋形モデルとは、適応と落胆という障害に対する肯定と否定の両価的感情を併せ持ちながら進行していくという説である。
○
螺線形(らせんけい)モデルとは、保護者の心理的状況が、「子どもと共に頑張ろう」という前向き気持ちと、「どうしてうちの子が」という悲哀の気持ちが螺旋階段の様にぐるぐる回っているという考えをいいます。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として正誤を○×で答えなさい。
・F君の母親と個別に話をする機会を設ける。
○
F君の母親が最近孤立していることが多い、との記述から母親自身が不安定な気持ちになっている事も考えられますので、まずは個別に話をする機会を設けましょう。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として正誤を○×で答えなさい。
・F君の体にあざがないか、身なりが清潔かどうかなどを確認する。
○
F君の母親の状況から、身体的虐待やネグレクトなどあらゆる可能性を考えることは適切といえます。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として正誤を○×で答えなさい。
・F君の母親も自閉スペクトラム症だと考え、母親に精神科への受診を強く勧める。
×
保育士がF君の母親に受診をすすめるのは逆効果にあたることもあります。まずは母親の話に耳を傾け、現状を把握することに努めましょう。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として正誤を○×で答えなさい。
・G君の母親に、F君は自閉スペクトラム症なので、F君とF君の母親を許すように伝える。
×
個人情報の観点から、F君の母親の承諾も得ずにF君の症状について他言することは不適切です。F君を特別扱いするのではなく、他の子どもと一緒に成長していけるようにフォローしていくのが適切です。
乳幼児期は、発達の速度が速く、精神障害を同定することが困難であるため、社会・情緒的発達のアセスメントには、危険因子と保護因子の評価と、養育者との関係性の評価のみが重要となる。
×
新版K式発達検査2020では0歳児から発達検査をすることができます。
乳幼児が示す人との関わり方は、養育者ごとに異なる傾向が強い。
〇
両親の夫婦関係が適応的なことは、子どもの社会・情緒的発達の保護因子の一つである。
〇
家庭への社会的な支援は、乳幼児の社会・情緒的発達の保護因子ではない。
×
家庭への社会的な支援により、養育者の生活環境や精神状態が安定することで、乳幼児の社会的、情緒的な安定につながります。