三幸保育カレッジ

平成31年度 保育試験 過去問題

「教育原理(前期)」

平成31年度 保育士試験問題(前期)

1

 次の文は、「教育基本法」第9条の一部である。( A ) ・ ( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と( A )に励み、その( B )の遂行に努めなければならない。
 前項の教員については、その使命と( B )の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。

1A 研鑽B 任務
2A 研鑽B 職責
3A 修養B 職責
4A 修養B 職務
5A 修養B 任務

正解 3
 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と( A 修養 )に励み、その( B 職責 )の遂行に努めなければならない。
 前項の教員については、その使命と( B 職責 )の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。

2

 次の文は、「幼稚園教育要領」(平成29年3月告示)前文の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 これからの幼稚園には、( A )の始まりとして、こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ、一人一人の幼児が、将来、自分の( B )を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓(ひら)き、( C )の創り手となることができるようにするための基礎を培うことが求められる。

1A 生涯学習B 個性や能力C 平和な国家
2A 生涯学習B よさや可能性C 持続可能な社会
3A 学校教育B 個性や能力C 持続可能な社会
4A 学校教育B よさや可能性C 持続可能な社会
5A 学校教育B よさや可能性C 平和な国家

正解 4
 これからの幼稚園には、( A 学校教育 )の始まりとして、こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ、一人一人の幼児が、将来、自分の( B よさや可能性 )を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、( C 持続可能な社会 )の創り手となることができるようにするための基礎を培うことが求められる。

3

 次の文の出典はどれか。正しいものを一つ選びなさい。

 児童は、特別の保護を受け、また、健全、かつ、正常な方法及び自由と尊厳の状態の下で身体的、知能的、道徳的、精神的及び社会的に成長することができるための機会及び便益を、法律その他の手段によつて与えられなければならない。この目的のために法律を制定するに当つては、児童の最善の利益について、最高の考慮が払われなければならない。

1児童の権利に関する条約
2児童福祉法
3児童憲章
4世界人権宣言
5児童権利宣言

正解 5
「児童権利宣言」第2条参照。

4

 次の論を展開した人物として、正しいものを一つ選びなさい。

 正統的周辺参加は、それ自体は教育形態ではないし、まして教授技術的方略でも教えるテクニックでもないことを強調しておくべきである。それは学習を分析的にみる一つの見方であり、学習というものを理解する一つの方法である。

1デューイ(Dewey, J.)
2ピアジェ(Piaget, J.)
3レイヴとウェンガー(Lave, J.&Wenger, E.)
4ブルーナー(Bruner, J.S.)
5ブルーム(Bloom, B.S.)

正解 3
レイヴとウェンガーが『状況に埋め込まれた学習:正統的周辺参加』で主張しました。

5

 次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A 子育てについて具体的なたとえ話をまじえながら、庶民にもわかりやすく説いた。また、「知行合一説」を唱え、陽明学の普及に努めた。
  • B 階級や僧俗を問わず、一般庶民の子弟にも門戸を開いた「綜芸種智院」を創設した。
  • C 「人の性は本善」であるという性善説の立場であった。「和俗童子訓」を著した。

【Ⅱ群】

  • ア 貝原益軒
  • イ 中江藤樹
  • ウ 空海
  • エ 聖徳太子
  • オ 大原幽学
A B C
1ア エ イ
2イ ア エ
3イ ウ ア
4イ エ オ
5オ ウ ア

正解 3
A-イ 中江藤樹は江戸前期の陽明学者です。多くの人々に尊敬され近江聖人と呼ばれました。『翁問答』を著しました。
B-ウ 空海は平安前期の真言宗の開祖です。京都に綜芸種智院を開きました。
C-ア 貝原益軒は江戸前中期の儒学(朱子学)者・本草学者です。『和俗童子訓』を著し、年齢段階に応じた子どもの学習方法を示しました。

エの聖徳太子は飛鳥時代の摂政です。全ての人に等しく教育を説きました。
オの大原幽学は江戸後期の農政学者です。子どもの教育・しつけのために換え子制度の奨励など、農民生活のあらゆる面を指導しました。

6

 次の文は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての新教育運動に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A コメニウス(Comenius, J.A.)は、事物による教育を提唱し、絵入教科書「世界図絵」を作成した。
  • B デューイ(Dewey, J.)は、「為すことによって学ぶ(learning by doing)」ことの重要性を説き、子どもたちが経験を通して学習することを提唱した。
  • C ドルトン・プランは、パーカースト(Parkhurst, H.)によって開発されたプランである。
  • D キルパトリック(Kilpatrick, W.H.)は、自主的な問題解決に取り組ませるプロジェクト・メソッドを確立した。

C
1
2××
3×
4××
5×××

正解 ―(全員正解)
A ― コメニウスは、17世紀に活躍した人物です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

7

 次の文は、文部科学省についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1教育職員の養成並びに資質の保持及び向上に関する事務をつかさどる。
2スポーツ庁と文化庁が外局として置かれている。
3少子高齢社会への総合的な対応に関する関係行政機関の事務の調整に関する事務をつかさどる。
4学校環境の整備に関する指導及び助言に関する事務をつかさどる。
5科学技術に関する研究及び開発に関する計画の作成及び推進に関する事務をつかさどる。

正解 3
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。
3 × 不適切です。少子高齢化に関する事務は「厚生労働省」がつかさどっています。
4 〇 適切です。
5 〇 適切です。

8

 次の文は、「幼稚園教育要領」(平成29年3月告示)の第3章「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項」の一部である。( A ) ・ ( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 幼稚園の運営に当たっては、子育ての支援のために保護者や地域の人々に機能や施設を開放して、園内体制の整備や関係機関との連携及び協力に配慮しつつ、幼児期の教育に関する相談に応じたり、情報を提供したり、幼児と保護者との登園を受け入れたり、保護者同士の交流の機会を提供したりするなど、幼稚園と( A )が一体となって幼児と関わる取組を進め、地域における( B )としての役割を果たすよう努めるものとする。その際、心理や保健の専門家、地域の子育て経験者等と連携・協働しながら取り組むよう配慮するものとする。

1A 家庭B 幼児期の教育のセンター
2A 家庭B 子育ての相談機関
3A 地域社会B 幼児期の教育のセンター
4A 地域社会B 子育ての相談機関
5A 地域社会B 就学前の教育機関

正解 1
 幼稚園の運営に当たっては、子育ての支援のために保護者や地域の人々に機能や施設を開放して、園内体制の整備や関係機関との連携及び協力に配慮しつつ、幼児期の教育に関する相談に応じたり、情報を提供したり、幼児と保護者との登園を受け入れたり、保護者同士の交流の機会を提供したりするなど、幼稚園と( A 家庭 )が一体となって幼児と関わる取組を進め、地域における( B 幼児期の教育のセンター )としての役割を果たすよう努めるものとする。その際、心理や保健の専門家、地域の子育て経験者等と連携・協働しながら取り組むよう配慮するものとする。

9

 次の文は、中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(平成27年12月)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 学習指導要領の次期改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を超えた組織運営の改善を行っていくことが求められているとしており、教育活動や組織運営など、学校全体の在り方の改善において核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善という 「( A )」の確立が必要であることが示されている。  
 こうした( A )は、次のような側面から捉えることができる。

・ 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。

・ 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の( B )を確立すること。

・ 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

1A クオリティ・マネジメントB インテリジェンス・サイクル
2A クオリティ・マネジメントB PDCAサイクル
3A リスク・マネジメントB PDCAサイクル
4A カリキュラム・マネジメントB PDCAサイクル
5A カリキュラム・マネジメントB インテリジェンス・サイクル

正解 4
 学習指導要領の次期改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を超えた組織運営の改善を行っていくことが求められているとしており、教育活動や組織運営など、学校全体の在り方の改善において核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善という「( A カリキュラム・マネジメント )」の確立が必要であることが示されている。
 こうした( A カリキュラム・マネジメント )は、次のような側面から捉えることができる。

・ 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
・ 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の( B PDCAサイクル )を確立すること。

・ 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

10

 次の文は、「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】 」(平成29年11月 内閣府障害者施策担当)の一部である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 言葉だけでの指示だと、内容を十分に理解できないで混乱してしまうことがある。 → 小学校へ入学してから苦労しないように、言葉だけで指示を聞けるよう指導を続けた。
  • B 咀嚼することが苦手であり、通常の給食では喉に詰まらせてしまう可能性がある。 →  大きな食材については、小さく切ったりミキサーで細かくしたりして、食べやすいサイズに加工することとした。
  • C 触覚に過敏さがあり、給食で使うステンレスの食器が使用できず、手づかみで食べようとする。 → 根気強くステンレスの食器を使用することで慣れさせることとした。
  • D 多くの人が集まる場が苦手で、集会活動や儀式的行事に参加することが難しい。 →  集団から少し離れた場所で本人に負担がないような場所に席を用意したり、聴覚に過敏があるのであれば、イヤーマフなどを用いることとした。
  • E 聴覚に過敏さがあり、運動会のピストル音が聞こえると、パニックを起こしてしまうかもしれない。 →  すぐ近くではピストルの音をならさないようにしたが、小学校ではピストルを使うことが多いので、少し離れたところからピストルでスタートの合図をすることとした。
CDE
1×
2××
3×
4×××
5×××

正解 4
A × 不適切です。言葉だけでなく、身振り手振りやコミュニケーションボードなども用いて内容を伝えるようにするのがよいです。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。シリコン製やポリプロピレン製など、学校にある素材の食器のうちから受け入れやすい触感の食器を用いるのがよいです。
D 〇 適切です。
E × 不適切です。ピストルは使用せず、代わりに笛・ブザー音・手旗などによってスタートの合図をするのがよいです。