三幸保育カレッジ

平成31年度 保育試験 過去問題

「保育の心理学(前期)」

平成31年度 保育士試験問題(前期)

1

 次の文は、人の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 生涯の発達的変化に影響を及ぼす要因として、人生のなかで出会う重要な意味をもつ個人的出来事があげられる。
  • B 発達に関して、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視した構成主義として、ピアジェ(Piaget, J.)の発達理論があげられる。
  • C 成長は身体面の形態・構造の量的変化をさすのに対して、発達は心理・人格面の質的変化をさすとされるが、その区別は厳密ではない。
  • D 発達には個人差があり、それには2種類の個人差を理解する必要がある。一つは個人間差であり、もう一つは個人内差であり、一般に個人差というと後者をさすことが多い。
1×
2××
3×
4××
5××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。個人間差とは「同じ年齢に子どもと比べてどの程度の知能をもっているのか」をいい、個人差とも示されます。それに対して個人内差とは「個人の中で知能領域のバランスが整っているか」をいいます。

2

 次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A 生得的に内在する能力が、時期に応じて自然に展開し、発達すると考える。
  • B 発達は漸次的に展開すると捉え、乳児期から老年期に至る8つの発達期それぞれに危機があると考える。
  • C 発達を環境との相互作用として捉え、人を取り巻く環境を4つのシステムと考えた後に、時間の影響・時間経過をつけ加え、5つのシステムとした。
  • D 受胎から死に至る過程の行動の一貫性と変化を捉え、生涯発達の一般的原理や発達の可塑性と限界を明らかにした。

【Ⅱ群】

  • ア マッコール(McCall, R.B.)
  • イ ゲゼル(Gesell, A.L.)
  • ウ ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
  • エ エリクソン(Erikson, E.H.)
  • オ バルテス(Baltes, P.B.)
A B C D
1ア イ オ ウ
2ア ウ エ オ
3イ エ ウ ア
4イ エ ウ オ
5エ オ ア イ

正解 4
A イ ゲゼルの記述です。
B エ エリクソンの記述です。
C ウ ブロンフェンブレンナーの記述です。
D オ バルテスの記述です。

3

 次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」のイ「人間関係」の一部である。A~Eの文のうち、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A いろいろな遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。
  • B 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
  • C 自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く。
  • D 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。
  • E 友達と楽しく活動する中で、共通の目的を見いだし、工夫したり、協力したりなどする。
ABCDE
1×
2×
3××
4××
5××××

正解 3
A 〇 記述の通りです。
B × 誤りです。「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満の保育に関わるねらい及び内容」イ「人間関係」(ア)ねらい参照。
C 〇 記述の通りです。
D × 誤りです。「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満の保育に関わるねらい及び内容」イ「人間関係」(イ)内容参照。
E 〇 記述の通りです。

4

 次の文は、児童期から青年期の移行に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

 児童期から青年期に移行する第二次性徴が出現する時期は( A )とも呼ばれる。心理的には、一般に児童期の( B )傾向から、( C )傾向への準備が始まる。その基底に親からの( D )があり、精神的独立に向かって歩みだすが、その不安定さと葛藤は、しばしば反抗として現れる。

A B C D
1ア ウ エ イ
2ア エ ウ オ
3カ ウ エ イ
4カ ウ エ オ
5カ エ ウ イ

正解 5
 児童期から青年期に移行する第二次性徴が出現する時期は( A:カ 思春期 )とも呼ばれる。心理的には、 一般に児童期の( B:エ 仲間に基準をおく )傾向から、( C:ウ 自己に基準をおく )傾向への準備が始まる。その基底に親からの( D:イ 心理的離乳 )があり、精神的独立に向かって歩みだすが、その不安定さと葛藤は、しばしば反抗として現れる。

5

 次の文は、固定遊具での遊びに関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 固定遊具に複数の幼児が集まると、動きの速さや回数を競ったりして互いに刺激し合いながら遊ぶ姿が見られる。数の限られた遊具では、順番に並んだり、交代したりすることを経験することにもなり、体を動かして遊びながら、人との関わりを学ぶことができる。
  • B 固定遊具のある園庭は、全園児が使用する共有スペースである。そのため、使い方や遊び方については、幼児と保育士が相互に話し合うことも必要である。
  • C 固定遊具は他の遊具や用具と組み合わせて使ったり、ごっこ遊びなどのイメージを取り込むことで遊びを広げていくことができる。その一方で、黙々と逆上がりに取り組んでいる幼児もおり、固定遊具での遊びの楽しさは一人一人異なる。
  • D 固定遊具の高い所で押し合うなど、保育士からは危ないように見えても、幼児は友達の様子や状況を考えながら行動している。そのため、声をかけずに見守ることが大切である。
ABCD
1×
2×
3×
4××
5×××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。保育士としては、見守る勇気・根気が必要ですが、子どもは遊びに夢中になると、周囲の状況を適切にとらえることが難しいです。注意を促すなどの適切な声がけが必要となります。

6

 次の文は、仲間関係の機能に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A 他者の外的行為を認めるだけでなく、その背後にある気持ちや感情、意図や動機、思考などの内的特性について気付き、正しく推論し、理解する。
  • B 他者のある行為を理解するために、その人の年齢、性別、職業などについての知識に基づいて推論する。
  • C 集団生活を円滑に行うためにある様々な決まりの本来の意味を、仲間との相互交渉の中で、不当な圧力や利害の片寄りなどの経験を通して考えるようになる。
  • D 自分の思考、感情、動機といった内的経験をそのまま行動に移すのではなく、客観的に捉え直し、自他を正当に比較し、他者の立場を推論しようとする。

【Ⅱ群】

  • ア 社会的カテゴリーの理解
  • イ 自己統制能力
  • ウ 他者理解・共感
  • エ 社会的規則の理解
A B C D
1ア イ ウ エ
2ア エ ウ イ
3イ ア エ ウ
4ウ ア イ エ
5ウ ア エ イ

正解 5
A ウ 他者理解・共感についての記述です。
B ア 社会的カテゴリーの理解についての記述です。
C エ 社会的規則の理解についての記述です。
D イ 自己統制能力についての記述です。

7

 次の文は、幼児のものの見方や考え方に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 メタ認知とは、目標達成のために現在の自己の状態を監視・調整する( A )や、それに伴う( B )なども含まれる。幼児期( C )から徐々に発達し、出来事を順序立てて話したり、園では当番活動ができたり、忘れ物をせずに帰り支度ができるなど、( D )に添った行動を可能にする。

A B C D
1イ エ キ ア
2イ エ ク ア
3イ カ ク ウ
4オ エ キ ア
5オ カ キ ウ

正解 1
 メタ認知とは、目標達成のために現在の自己の状態を監視・調整する( A:イ モニタリング )や、それに伴う( B:エ 感情体験 )なども含まれる。幼児期( C:キ 後半 )から徐々に発達し、出来事を順序立てて話したり、園では当番活動ができたり、忘れ物をせずに帰り支度ができるなど、( D:ア プラン )に添った行動を可能にする

8

 次の文は、アタッチメント(愛着)についての記述である。適切なものを○、不適切なものを ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A アタッチメント(愛着)とは、自らが「安全であるという感覚」を確保しようとする個体の本性に基づいて、危機的状況あるいは潜在的な危機に備え、特定の対象への接近・接触を求め維持しようとする傾向と定義される。
  • B 愛着の個人差を測定するために、エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)が考案したのがサークル・オブ・セキュリティ(安全感の環)であった。
  • C エインズワースによれば、養育者への子どものアタッチメント(愛着)は3つの型に分類される。A型は抵抗(アンビバレント)型、B型は安定型、C型は回避型であった。
C
1
2×
3××
4×
5××

正解 3
A 〇 適切です。この理論を提唱したのはボウルビィです。
B × 不適切です。エインズワースが考案したのは、ストレンジ・シチュエーション法です。サークルオブセキュリティ(安心感の輪)を開発したのはケント・ホフマン、グレン・クーパー、バート・パウエルら心理学の専門家たちです。
C × 不適切です。エインズワースは、回避型をA型、安定型をB型、抵抗型(葛藤型/アンビバレント型)をC型としました。

9

 次の文は、保育所での観察記録である。(a)~(d)の下線部分に関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a b c d
1ア オ エ イ
2ア オ ク ウ
3ア キ ク イ
4カ オ エ ウ
5カ キ ク イ

正解 4
a カ 協同遊びについての記述です。
b オ 一人遊びについての記述です。
c エ 並行遊びについての記述です。
d ウ 象徴遊びについての記述です。

10

 次の文は、乳児期の視覚の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 新生児の視力では、周囲はぼんやりとしている。また焦点距離は20cm程度で、抱っこされたときには相手の顔がよく見える。
  • B 最初のうちは、あおむけの姿勢の目の前で、がらがらを左右や上下方向に動かすと線として追視し、支え座りができる5か月頃には、円を描いて動くがらがらをなめらかに追視する。
  • C 生後1か月頃には、単色の単純な刺激と、同心円模様、新聞の一部、顔の絵といった複雑な刺激を対にして見せられると、より複雑な刺激、特に顔図形を好んで注視する。
  • D 生後4か月頃には、青、緑、黄、赤をそれぞれ異なる色として識別するようになる。
1×
2××
3××
4×××
5×××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。ファンツ(Fantz, R.)が開発した、生後46時間から生後6ヶ月までの乳児を対象とした心理学実験に利用される『選好注視法』では、乳児は複雑なパターン化された図形(「柄がないものよりも柄のあるもの」「同心円のものや縞」「顔図形」)を好んで見ることが判明しています。
D 〇 適切です。

11

 次の文は、排泄の習慣に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 1歳以上3歳未満児では、排泄の自立のための身体的機能も整うので、便器での排泄になれ、自分で排泄ができるようになることをめざす。
  • B 排泄は、身体の成熟や神経系の成熟などが関係するため、排泄機能が未成熟な状態で、トイレット・トレーニングをしても子どもの負担になる。
  • C 子どもは1歳を過ぎると、他者の模倣を盛んにするようになっていく。保育所のトイレット・トレーニングでは、子どもは他児をモデルとして排泄する姿もみられる。
  • D 排泄の習慣を形成する時期については、社会や文化、そして時代の影響を受ける。
1
2×
3××
4××
5×××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

12

 次の文は、言葉の発達に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A 新生児は自然言語のどの音も知覚する感受性を備えている。
  • B 新生児は大人が話しかける言語の語、音節、音素の切れ目に同調してリズミカルに身体  部位を動かす。
  • C 言葉が出現する以前からの大人との社会的相互作用が、言葉の獲得の重要な基礎となる。
  • D 大人が乳児に話しかける時、ゆっくり、はっきり、繰り返しする、などの特徴がある。

【Ⅱ群】

  • ア 言語発達の外在的要因
  • イ 言語発達の内在的要因
A B C D
1ア ア ア イ
2ア ア イ ア
3ア イ ア イ
4イ ア イ ア
5イ イ ア ア

正解 5
A イ 新生児の音の感受性は、内在的要因です。
B イ 設問は内在的要因の記述です。
C ア 設問は外在的要因の記述です。
D ア 大人の話しかけは、外在的要因です。

13

 次の文は、保育士の役割についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 小学校で困らないように、正しい文字を書くことや簡単な筆算をすることなどを指導することが大切である。
  • B 3歳児では、個の成長よりも子ども相互の関係や、役割を分担したりする協同的な活動が、促されるよう配慮することが求められる。
  • C 少し難しいと感じても「自分にはきっとできる」という見通しがもてるように幼児の思いに寄り添って見守ることが重要である。
  • D 遊びのルールについて主張がぶつかり合ったとき、それぞれの考えや思い、アイディアを出し合うことは、「一緒に遊びたい」という気持ちを育てる上で必要なことである。
ABCD
1×
2××
3××
4××
5××

正解 5
A × 不適切です。保育士は、子どもに基本的な生活習慣を身に付けさせ、心身の発達をサポートすることが主な役割です。
B × 不適切です。「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画と評価」(2)「指導計画の作成」に「3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。とあります。この時期は、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにします。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

14

 次の文は、巡回相談に関する記述である。下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ABC
1
2×
3×
4××
5××

正解 2
A 〇 記述の通りです。
B 〇 記述の通りです。
C × 誤りです。専門家同士の話し合いをカウンセリングとはいいません。カウンセリングは、クライエントへの直接的な援助をさします。

15

 次の文は、妊娠期からの親の心理に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 妊娠初期は、つわりなど心身両面で、適応していくことが必要となる時期であるため、自分自身に関心が向き、生活やキャリアへの不安が強まることが多い。
  • B 胎動を通して母性が目覚め、母親は胎児の心の状態やパーソナリティなどについて様々な想像をめぐらすことは、出産直後の赤ちゃんとの相互作用に影響を及ぼす。
  • C 乳幼児と接している時間が母親は長いことが多いので、育児に対する肯定的感情も否定的感情も同様に極めて高い。
  • D 妊娠そのものを喜ぶことができず、受け入れることができない母親は、生まれた後の子どもとの関係性や育児態度に深刻な影響をもたらす可能性が高い。
ABCD
1×
2×
3××
4×
5×××

正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。肯定的感情も否定的感情も個人差がありますので、乳幼児を抱える母親すべてについて極めて高い、とはいえません。
D 〇 適切です。

16

 次の【図】は、「男女共同参画白書」(平成29年版)における「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化を示している。以下の【設問】に答えなさい。

【設問】
 次のA~Cのうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
 ここでは、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方を性役割分担意識という。
 性役割分担意識に賛成する者とは「賛成」及び「どちらかといえば賛成」を合わせた者とし、反対する者とは「反対」及び「どちらかといえば反対」を合わせた者とする。

A 経年推移をみると、性役割分担意識に反対する者の割合は、男女とも長期的に増加傾向にある。

B 平成28年調査では、男女ともに反対する者の割合が賛成する者の割合を上回っている。

C どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、女性が男性を上回っている。

ABC
1
2×
3×
4××
5××

正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、男性が女性を上回っています。

※「男女共同参画白書」は令和2年版が最新です。

17

 次の文は、乳幼児と養育者の関係性に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 乳幼児と養育者の関係性は、乳幼児の社会・情緒的発達に影響を与える。
  • B 養育者のもつ子どもについての認知、イメージ、表象は、子どもの親に対する行動のパターンには、ほとんど影響を与えない。
  • C 保育士と乳幼児との関係性は、小学校、中学校での社会・情緒的発達に影響を与えない。
  • D 乳幼児と養育者の関係は、愛着関係と同義であると考えられる。
  • E 乳幼児期に形成される愛着のパターンから、成人期の愛着のパターンを95%予想できる。
E
1×
2××
3××××
4×××
5××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。影響を与えないわけではありません。
C × 不適切です。保育士と乳幼児の関係は、その子のその後の情緒発達においても影響を与える可能性が高いと言えます。
D × 不適切です。乳幼児と養育者の関係は様々な関係性が含まれるため一概に愛着関係と同義とはいえません。
E × 不適切です。95%予想できるとは限りません。

18

 次の文は、乳幼児虐待に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 家庭が経済的困窮に陥り、母親がうつ病である場合、虐待が必ず起こると考えられる。
  • B 児童虐待は、子どもの社会・情緒的発達に影響を与えるが、脳の実質に変化を与える(器質的問題を生じる)可能性はない。
  • C 全ての虐待に対して親子の分離を行い、里親あるいは施設養育をすることが適切である。
  • D 被虐待乳幼児が保育所を利用することは、乳幼児の社会・情緒的発達にとってほとんど意味がない。
1
2×
3××
4×××
5××××

正解 5
A × 不適切です。経済的困窮状態でうつ病の母親が、必ず虐待するとは限りません。
B × 不適切です。児童虐待には身体的虐待なども含まれるので、脳の実質に変化を与える可能性はありま
す。
C × 不適切です。虐待のケースに合わせた対応が必要なため、全ての虐待において親子の分離を行うことが適切とはいえません。
D × 不適切です。保育士等との間に愛着が形成されることが被虐待乳幼児の社会・情緒的発達に影響を及ぼす可能性は高いです。

19

 次の文は、乳幼児期における情動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 新生児期は、周りの働きかけに対して微笑することが多い。
  • B 生後3~6か月頃から、悲しさと怒り、満足と喜び、興味と驚きなどの感情を表出する。
  • C 他者に対する相手を慰めるような行動にみられる共感反応は、一般的に1歳半頃から現れる。
  • D 嫉妬は、一般的に2歳頃になると現れる。
1×
2××
3××
4×
5×××

正解 4
A × 不適切です。新生児期の微笑は、新生児微笑(生理的微笑)と呼ばれます。周りの働きかけに対して微笑する社会的微笑は、生後2~3か月から現れてきます。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

20

 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
 Zちゃん(1歳半、男児)は、1か月前に保育所に入所した。入所以来園への行きしぶりが続いた。ある日登園中に雷が鳴るのを聞いて以来、全く園に行けなくなった。

【設問】
 考えられる事項として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の組み合わせを一つ選びなさい。

A Zちゃんは、場所見知りがあるのかもしれない。

B Zちゃんは、分離不安があるのかもしれない。

C Zちゃんは、感覚過敏があるのかもしれない。

D Zちゃんは、雷を経験したことにより、トラウマ反応を起こしたのかもしれない。

1
2××
3×
4××
5××××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。