令和3年度 保育試験 過去問題
教育は、その目的を実現するため、( A )の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、( B )を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、( C )を重んずる態度を養うこと。
1 | A:良心B:正義C:勤労 |
---|---|
2 | A:良心B:真理C:納税 |
3 | A:学問B:正義C:努力 |
4 | A:学問B:真理C:勤労 |
5 | A:信教B:正義C:努力 |
正解 4
教育は、その目的を実現するため、( A 学問 )の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、( B 真理 )を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、( C 勤労 )を重んずる態度を養うこと。
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に( A )を加えることができる。ただし、( B )を加えることはできない。
1 | A:懲戒B:差別的行為 |
---|---|
2 | A:懲戒B:体罰 |
3 | A:処罰B:体罰 |
4 | A:制裁B:体罰 |
5 | A:処罰B:差別的行為 |
正解 2
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に( A 懲戒 )を加えることができる。ただし、( B 体罰 )を加えることはできない。
「学校教育法」は頻出です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇×〇× |
3 | 〇××× |
4 | ×〇×〇 |
5 | ××〇× |
正解 3
A 〇 記述の通りです。
B × 誤りです。正しくは「幼児の発達に即して主体的・対話的で深い学びが実現するようにするとともに、心を動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮し、一つ一つの体験が相互に結び付き、幼稚園生活が充実するようにすること」です。
C × 誤りです。正しくは「幼児の発達を踏まえた言語環境を整え、言語活動の充実を図ること」です。
D × 誤りです。正しくは「幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え、幼児が主体的に楽しく活動できるようにすること」です。
ABC | |
1 | 〇〇〇 |
2 | 〇〇× |
3 | 〇×〇 |
4 | ×〇〇 |
5 | ××〇 |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。正しくは「『~を味わう』、『~を感じる』などのように、いわばその後の教育の方向付けを重視する」です。
C 〇 適切です。
ABC | |
1 | アウイ |
2 | ウアエ |
3 | ウエイ |
4 | エアウ |
5 | エウイ |
正解 5
A-エ フレーベルに関する記述です。フレーベルは、ドイツの教育学者です。世界初の幼稚園「キンダーガルデン」を設立しました。遊びのための教育玩具である「恩物」を開発しました。著書に『人間の教育』『母の歌と愛撫の歌』があります。
B-ウ ペスタロッチに関する記述です。ペスタロッチは、スイスの教育者です。ルソーに影響を受けています。直感教授、労作教育を行いました。著書『白鳥の歌』において“生活が陶冶する”“「頭、心、手の能力を調和して発展させることが教育の目的や課題”と述べています。また著書『隠者の夕暮れ』の冒頭“玉座の上にあっても木の葉の屋根の蔭に住まっても同じ人間、その本質から見た人間、一体彼は何であるか”が有名です。
C-イ ルソーに関する記述です。ルソーはフランスの哲学者です。近代的な児童観に基づいた教育論を確立し、子どもの発見者と呼ばれています。『エミール』や『社会契約論』などを著しました。
アのコメニウスは、チェコの教育改革者で近代教授学の父と言われています。世界初の絵入りの教科書である『世界図絵』や『大教授学』を著しました。
1 | 関信三 |
---|---|
2 | 倉橋惣三 |
3 | 城戸幡太郎 |
4 | 澤柳政太郎 |
5 | 中江藤樹 |
正解 3
文章を読んだことがなくても、文中の「保育問題研究会」に着目して解答しましょう。保育問題研究会を設立したのは城戸幡太郎です。城戸幡太郎は、大正―昭和時代の教育心理学者です。社会中心主義を提唱し、子どもをその子の生きている社会との関わりから捉えようとし、生活力のある子どもの育成を目指しました。
1の関信三は、東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の開設時の監事(園長)です。松野クララが主任保母、豊田芙雄、近藤浜が保母として参加しました。
2の倉橋惣三は、東京女子高等師範学校の教授兼附属幼稚園の主事を務めました。著書に『幼稚園保育法真諦』があります。幼児の自発生活を尊重し子どもの自由な遊びを生かした誘導保育を提唱しました。
4の澤柳政太郎は、成城小学校を設立した人物です。子どもの自発的な活動や自由な教育を重んじる実践新教育運動を実践しました。
5の中江藤樹は、江戸時代初期の儒学者です。「知行合一説」を唱え陽明学の祖とされています。多くの人々に尊敬され近江聖人と呼ばれてました。著書に『翁問答』があります。
ドイツの哲学者、教育学者。カントの後任としてケーニヒスベルク大学で哲学などの講座を受け持つ。教育の課題とは道徳的品性の陶冶であるとし、多方面への興味を喚起することが必要だと考え「教育(訓育)的教授」という概念を提示した。また、教授の過程は興味の概念に対応しており、「形式的段階」と呼ばれるようになった。この「形式的段階」概念は弟子たちに引き継がれ、「予備・提示・比較・総合・応用」の5段階へと改変された。
1 | ヘルバルト(Herbart, J.F.) |
---|---|
2 | ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.) |
3 | キルパトリック(Kilpatrick, W.H.) |
4 | デューイ(Dewey, J.) |
5 | コメニウス(Comenius, J.A.) |
正解 1
1 〇 記述の通りです。ヘルバルトは、ドイツの哲学者です。『教育学講義綱要』『一般教育学』の著者で、教育を学問として樹立した人物です。学習において4段階教授法(明瞭・連合・系統・方法)を理想とし、教育課程を管理・訓練・教授の3つに分割して提示しました。教育の課題を道徳的品性の陶冶であるとし、「教育(訓育)的教授」という概念を提示しました。
2 × 誤りです。ペスタロッチは、スイスの教育家です。『隠者の夕暮』『リーンハルトとゲルトルート』『シュタンツだより』『ゲルトルートは如何にその子を教えるか』の著者で、近代教育学の父と言われています。コメニウス・ルソー・ロックなどの影響を受け、「直感教授法」を提唱しました。
3 × 誤りです。キルパトリックはデューイの問題解決の思考過程の分析から生まれた「プロジェクト・メソッド」を確立しました。子どもたちが自ら価値あると感じる課題を設定し、それをプロジェクトとして、目的→計画→遂行→判断・評価という4段階を設定し、自主的な学習態度や社会性を養おうとする学習です。
4 × 誤りです。デューイは、アメリカの教育学者・哲学者です。『学校と社会』『民主主義と教育』『経験と教育』の著者でプラグマティズム(経験主義)の代表的学者です。「為すことによって学ぶ(learning by doing)」ことの重要性を説き、子どもたちが経験を通して学習する「問題解決学習」を提唱しました。
5 × 誤りです。コメニウスは17世紀最大の教育学者です。『世界絵図(世界最初の絵入り教科書)』『大教授学』の著者で、事物による教育を提唱しました。
州ごとに教育制度が定められている国の一つである。初等教育は、基礎学校で行われる。初等教育修了後、中等教育の進学先としては、ハウプトシューレ、実科学校、ギムナジウム等である。そのうちギムナジウムは、大学進学希望者が主に進む。
1 | スウェーデン |
---|---|
2 | イタリア |
3 | フィンランド |
4 | イギリス |
5 | ドイツ |
正解 5
1 × 誤りです。スウェーデンの教育制度は、基礎学校9年・高校3年・大学3年の教育課程です。義務教育は、7~16歳の9年間、基礎学校(日本における小中学校)で行われます。
2 × 誤りです。イタリアの義務教育の期間は6歳から16歳の10年間。小学校が5年間(6~11歳)、中学校が3年間(11~14歳)、高校は5年間(14~19歳)です(※高校は専攻によって年数が異なります)。また、小学校に入るまでは幼稚園(Scuola dell’infanzia)に通うのが一般的です。
3 × 誤りです。フィンランドの義務教育は基本的に7歳の8月に入学する9年制の基礎学校で、正当な理由がある場合は6歳からでも8歳からでも入学することができたり、学習が遅れている子どもは1年留年することができるなど、その子どもに合わせた教育が保証されています。
4 × 誤りです。イギリスの初等教育は、通常6年制の初等学校で行われます。初等学校は,5~7歳を対象とする前期2年(インファント)と7~11歳のための後期4年(ジュニア)とに区分されます。
5 〇 記述の通りです。
変化の激しい社会においては、各個人が「自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」を身に付けるために、生涯にわたって学習を継続できるようにすることが求められている。特に技術の進展等が著しい中で、知識や( A )等は陳腐化しないよう常に更新する必要がある。
また、いわゆる狭義の知識・( A )のみならず、他者との関係を築く力等の豊かな人間性を含む総合的な力は、学校教育の期間と場のみならず、ライフステージに応じて多様な場所や方法で学習し、( B )やその他の社会における活動においてその成果を発揮することを経て身に付くものでもあり、成人の学習についても、このような国民の継続的な学習へのニーズに応えられる環境整備、すなわち学ぶ機会の充実とその成果を生かせる環境づくりが必要である。
1 | A:判断力B:私生活 |
---|---|
2 | A:思考力B:私生活 |
3 | A:思考力B:職業生活 |
4 | A:技能B:私生活 |
5 | A:技能B:職業生活 |
正解 5
変化の激しい社会においては、各個人が「自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」を身に付けるために、生涯にわたって学習を継続できるようにすることが求められている。特に技術の進展等が著しい中で、知識や( A 技能 )等は陳腐化しないよう常に更新する必要がある。また、いわゆる狭義の知識・( A 技能 )のみならず、他者との関係を築く力等の豊かな人間性を含む総合的な力は、学校教育の期間と場のみならず、ライフステージに応じて多様な場所や方法で学習し、( B 職業生活 )やその他の社会における活動においてその成果を発揮することを経て身に付くものでもあり、成人の学習についても、このような国民の継続的な学習へのニーズに応えられる環境整備、すなわち学ぶ機会の充実とその成果を生かせる環境づくりが必要である。
通級による指導を受ける児童生徒及び特別支援学級に在籍する児童生徒については、一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援が組織的・継続的に行われるよう、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を( A )作成することが適当である。
(中略)
障害者理解や交流及び共同学習については、グローバル化など社会の急激な変化の中で、多様な人々が共に生きる社会の実現を目指し、一人一人が、多様性を尊重し、協働して生活していくことができるよう、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」と関連付けながら、学校の教育活動全体での一層の推進を図ることが求められる。さらに、学校の( B )としての学習活動にとどまらず、地域社会との交流の中で、障害のある子供たちが地域社会の構成員であることをお互いが学ぶという、地域社会の中での交流及び共同学習の推進を図る必要がある。
1 | A:必要に応じてB:教育課程上 |
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2 | A:必要に応じてB:授業 |
3 | A:全員B:教育課程上 |
4 | A:全員B:授業 |
5 | A:ある特定の事例に対してB:教育課程 |
正解 3
通級による指導を受ける児童生徒及び特別支援学級に在籍する児童生徒については、一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援が組織的・継続的に行われるよう、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を( A 全員 )作成することが適当である。
(中略)
障害者理解や交流及び共同学習については、グローバル化など社会の急激な変化の中で、多様な人々が共に生きる社会の実現を目指し、一人一人が、多様性を尊重し、協働して生活していくことができるよう、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」と関連付けながら、学校の教育活動全体での一層の推進を図ることが求められる。さらに、学校の( B 教育課程上 )としての学習活動にとどまらず、地域社会との交流の中で、障害のある子供たちが地域社会の構成員であることをお互いが学ぶという、地域社会の中での交流及び共同学習の推進を図る必要がある。