三幸保育カレッジ

平成29年度 保育試験 過去問題

「保育実習理論(後期)」

平成29年度 保育士試験問題(後期)

1

次の曲の伴奏部分として、ア~ウにあてはまるコードネームとして正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1CCF
2CGG
3FGC
4GCF
5GFG

正解 1

2

次のA~Dを意味する音楽用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1
2
3
4
5

正解 2
A 「さいしょの速さで」は、アのtempo primo(テンポプリモ)です。イのtempo rubato(テンポルバート)は「自由なテンポで」です。
B 「すぐに遅く、急に速度をゆるめる」はウのritenuto(リテヌート)です。エのritardando(リタルダンド)は「だんだん遅く」です。
C 「音と音のあいだを切れ目なくつなぐ」はオのlegato(レガート)です。カのlento(レント)は「ゆっくり」です。
D 「おわり」はクのFine(フィーネ)です。キのff(フォルティッシモ)は「すごく強く」です。

音楽記号については、テキストを確認し、頻出のものは確実に暗記しておきましょう。

3

次のコードネームにあてはまる鍵盤の位置として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A7   ア⑥⑬⑮イ⑦⑨⑬ウ⑦⑬⑮
B♭   ア⑦⑪⑯イ⑧⑪⑰ウ⑪⑯⑳
Gmaj7 ア①⑤⑪イ⑪⑬⑯ウ⑫⑬⑰
Daug  ア⑧⑪⑯イ⑧⑫⑯ウ⑫⑮⑳

Gmaj 7やDaugが分からなくても、A7とB♭が分かれば解答を1つに絞り込めます。

A7:根音であるA(③か⑮)の長3度上のC♯(⑦か⑲)、C♯から短3度上のE(⑩)、さらに短3度上のG(①か⑬)を加えたセブンス・コードです。
ウではコードの転回によってA音が1オクターブ高い⑮になっています。そしてセブンス・コードは上から2番目の音を省略可能なので、E(⑩)が省略されています。
B♭:根音であるB♭(④か⑯)に長3度上にあるD(⑧か⑳)、Dから3度上にあるF(⑪)の3つの音から作られています。ウではコードの転回によってB♭とDが1オクターブ高い⑯と⑳になっています。
Gmaj7:Gメジャー・セブンス・コードです。テキスト(及び資料集)ではGM7という表記を学習しましたが同じものです。
根音であるG(①か⑬)の長3度上のB(⑤か⑰)、Bから短3度上のD(⑧か⑳)、さらに長3度上のF♯(⑫)を加えたコードです。メジャー・セブンス・コードも上から2番目の音が省略できるので、ウではD(⑧か⑳)が省略されています。また、コードの転回によってGとBが1オクターブ高い⑬と⑰になっています。
Daug:根音であるD(⑧か⑳)に長3度上のF♯(⑫)、F♯から長3度上のA♯(④か⑯)のオーグメント・トライアド・コードです。

4

次の曲を4歳児クラスで歌ってみたところ、一番低い音が不安定で歌いにくそうであった。そこで完全4度上の調に移調することにした。その場合、A、B、Cの音は、鍵盤の①から⑳のどこを弾くか、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ABC
1
2
3
4
5

正解 4

5

問4の楽譜を完全4度上に移調した場合の調号として正しいものを一つ選びなさい。

正解 4

6

次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 中村雨紅作詞による「夕焼け小焼け」の作曲者は、成田為三である。
  • B 祭囃子は、祭りの時に演奏される音楽の一つである。
  • C 標準的なグランドピアノの鍵盤は、88鍵である。
  • D ヘ長調の階名「ファ」は、音名「変ロ」である。
ABCD
1×
2××
3×
4×××
5×××

正解 3
A × 不適切です。「夕焼け小焼け」の作曲者は草川信です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

7

次の文のうち、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」のオ「表現」における(イ)「内容」の記述の一部として正しいものを一つ選びなさい。

  • 1 絵の具や粘土の使い方を学び、正しく扱って遊ぶ。
  • 2 物をよく見て形を把握し、正確に描く。
  • 3 様々な色を使い、画面いっぱいに大きく描く。
  • 4 水、砂、土、紙、粘土など様々な素材に触れて楽しむ。
  • 5 心に強く感じたことに集中し、その内容を表現する楽しさを味わう。

正解 ―
平成30年に保育所保育指針が改定されました。
“第3章「保育の内容」のオ「表現」における(イ)「内容」”は“第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」オ「表現」(イ)「内容」”に変更となりました。
設問に関する箇所は内容が変更されました。

8

子どもの描画の発達において、肩やひじ、手首の運動が描画の表現に深く関わる。はじめは肩だけの運動だったものが肩とひじを使った運動へ変化し、肩とひじと手首が連動していき、それらの運動が描画の特徴として現れる。次の図A~Dは、子どもの描画表現の特徴を示したものである。描画表現の発達の順序として最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

1A→D→B→C
2B→D→A→C
3B→D→C→A
4D→B→A→C
5D→B→C→A

正解 5
1歳~2歳半頃の「なぐり描き期」では、手の動きの発達によって最初は点、次に縦線・横線が描けるようになります。そして、2歳~3歳頃の「象徴期」では1つの円が描けるようになります。

9

次の文は、保育所における色に関する活動の内容や配慮等である。「保育所保育指針」第3章「保育の内容」に照らし、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 生活の中で、様々な色に気付いたり、感じたりできるように、楽しく「色鬼遊び」を行った。
  • B 季節の変化を考慮して、「壁面装飾」の色を工夫した。
  • C 「色水遊び」で数種類の色を混ぜ、できた色水を透明な容器に入れて飾った。
  • D 「色カード」を用いて、たくさんの色名を正確に覚えるように指導した。
  • E 色の識別ができるように、「色立体」を用いて色の体系を説明した。
1A B C
2A B E
3B C D
4B D E
5C D E

改定により問題不成立(正解は1)
平成30年に保育所保育指針が改定されました。
“第3章「保育の内容」”は“第2章「保育の内容」”に変更となりました。

保育所保育指針 第2章 保育の内容 3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容(2)オ 表現 参照
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。「色名を正確に覚えるように指導する」ことは、保育所の保育内容として適切な指導ではありません。
E × 不適切です。「色立体を用いて色の体系を説明する」ことは、保育所の保育内容として適切ではありません。

10

次の文は、描画材の使い方に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A クレヨンを使用したはじき絵を描く際に、水彩絵の具の色がよくはじくように、絵の具に水を混ぜないで描いた。
  • B 油性フェルトペンで描く際に、テーブルが汚れないように古い新聞紙を厚めに敷いた。
  • C ペットボトルに色を塗る際に、指でこすっても落ちないように水性フェルトペンを用いた。
  • D 雨にぬれても色が落ちないように、木の手作りおもちゃにアクリル絵の具で色を塗った。
  • E コンテで絵を描いた後、消えないように定着スプレーをかけた。
ABCDE
1×
2××
3×××
4××
5××××

正解 4
A × 不適切です。はじき絵は、油性であるクレヨンなどの水をはじく性質を利用しています。絵の具に水を混ぜないと、クレヨンで描いた部分をはじきません。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。水性フェルトペンはペットボトルなどのプラスチックに使用するには不向きです。
D 〇 適切です。
E 〇 適切です。

11

次の【Ⅰ群】の用語と【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A エプロンシアター
  • B ペープサート
  • C パネルシアター

【Ⅱ群】

  • ア 付着性の高い素材に描かれたキャラクター等を広い背景の中で動かすことができる。
  • イ 英語の「紙人形劇」が、語源ともいわれている。
  • ウ 保育者が着用したものを舞台として使用する。
ABC
1
2
3
4
5

正解 5
A ウ 舞台に見立てた胸あて式エプロンに物語の背景とマジックテープを縫いつけ,保育者がポケットから人形を取り出してエプロンに貼り付けながら物語を演じる人形劇のことです。
B イ 人物などを描いて切り抜いたものに棒を付け、背景の前で動かして演じる人形劇のことです。
C ア 専用のパネル(舞台)に,不織布で作った人形や背景の絵を貼ったり外したり移動したりしながら物語を演じる人形劇のことです。

12

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
H保育所の5歳児クラスでは、伝統的なおもちゃの「ぶんぶんごま」を、次の図のように作って遊ぶことにした。厚紙に開けた2つの穴にタコ糸を通して結び、両端を持って、引いたり緩めたりして、回しながら遊んだ。

【設問】
次の1〜5は、「ぶんぶんごま」のこまの形とタコ糸を通す穴の位置を示したものである。
「ぶんぶんごま」の仕組みとして、最も回りにくいものを一つ選びなさい。

正解 5
設問5は上下に対称な形でないため回りにくいです。

13

次の文のうち、保育場面で紙芝居を演じる際の留意点等として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 場面に応じて、ぬき方のタイミングを工夫する。
  • B 舞台や幕を使うことが効果的である。
  • C 声の大きさ、強弱、トーンなどの演出はしない。
  • D 演じ手は子どもの反応を受け止めずに進める。
ABCD
1
2××
3××
4××
5×××

正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。声の大きさ、強弱、トーンなどの演出を工夫します。
D × 不適切です。子どもの反応をよく見ながら進めます。

14

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
保育所に勤務している保育士Kさんは、保育所内外の研修の重要性が高まる中、「望ましい研修像」について考えている。

【設問】
次の文のうち、「保育所保育指針」第7章「職員の資質向上」に照らして、「望ましい研修像」として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 職員の意欲が向上し主体性が尊重されること。
  • B 一人一人の学びの深まりにつながっていること。
  • C 職員間の連携が密であること。
  • D 日々の保育実践に生きるものであること。
ABCD
1
2×
3××
4××
5××

正解 ―
平成30年に保育所保育指針が改定されました。
“第7章「職員の資質向上」”は“第5章「職員の資質向上」”に変更となりました。

保育所保育指針“第5章 職員の資質向上”から該当する文章は削除となりました。

15

次の文は、保育所に勤務する保育士の役割に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 保育士は、専門性や人間性を向上させるために、常に自己研鑽することが求められる。
  • B 保育課程や指導計画、実践や評価に関する記録など、保育の質の向上に関するものについては、職員間で共通理解を持つ機会を計画的に設ける。
  • C 保育士が保護者とお互いに信頼し、協力し合える関係を作るためには、保護者の意向を的確に把握し、保護者の要求をすべて受け入れる必要がある。
  • D 保護者との協力体制を築くためには、日頃から保育理念や保育方針、保育内容・方法等を様々な機会を通して保護者に情報提供するとともに、保育参観などを実施することも有効である。
ABCD
1×
2××
3××
4××
5×××

正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。保護者の要求をすべて受け入れる必要はありません。
「すべて」という断定的な表現には注意しましょう。
D 〇 適切です。記述の通りです。

16

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
保育所に勤務している保育士Qさんは、3歳児クラスを担当している。Rちゃんは、まだ幼児語を使って話をしている。例えば、「靴」を「クック」、「猫」を「ニャンニャン」と言う。

【設問】
保育士Qさんは、Rちゃんの言語の発達を促していくための方法について考えている。Rちゃんが「ニャンニャンがいるよ」と幼児語を使って話しかけてきた場合の保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 「ニャンニャンと言ったらだめでしょ。猫でしょう」と訂正し、言い直しをさせる。
  • B Rちゃんの話したい思いを受け止め、熱心に聴く。
  • C 保育士はRちゃんの真似をして、「ニャンニャンがいるね」と対応する。
  • D 保育士は「猫がいるね」と言って対応し、会話を続ける。
ABCD
1
2×
3××
4××
5×××

正解 4
A × 訂正し、言い直しをさせることは不適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。Rちゃんの真似をせず、大人と同じ言葉で対応します。
D 〇 適切です。

17

次の文は、5、6歳児を担当する保育士の関わりについての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 遊具や用具を介して子どもの遊びや生活が広がり、友達との関わりが深まっていくことに留意し、共同のものを大切にしようとする気持ちや態度が育まれていくよう、保育士は環境を整える。
  • B 幼児は言葉の表現が未熟であるため、感情的なぶつかり合いや葛藤がおきないように、保育士はルールを作り、仲間関係の調整をする。 
  • C 物事には良いことや悪いことがあることに、子ども自身が気づき、考えながら行動できるように、保育士は子どもの行動を見守りつつ、適宜、良いこと、悪いことを明確に示す。
ABC
1
2×
3×
4××
5××

改定により問題不成立(正解は3)
平成30年に保育所保育指針が改定されました。
“第7章「職員の資質向上」”は“第5章「職員の資質向上」”に変更となりました。

A 〇 適切です。
B × 不適切です。感情的なぶつかり合いや葛藤などは、子どもの成長のための大切な機会です。そのような経験をしている子どもたちの様子を見守り、適切な対応をすることが必要です。
C 〇 適切です。

18

次の文は、保育所における指導計画に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 指導計画の作成に当たっては、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえる。
  • B 長期的な指導計画とは、子どもの生活や発達を見通した、月と週の計画を指す。
  • C 指導計画に基づく保育の実施に当たっては、担当の保育士がすべての責任をもって、単独で行う。
  • D 指導計画に基づく保育の実施に当たっては、子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な援助を行う。
1A B
2A C
3B C
4B D
5C D

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。長期的な指導計画には「年間計画」「月案」があり、短期的な指導計画には「週案」「日案」があります。常識的に考えても週の計画を長期的な指導計画とはいえないと判断できるでしょう。
C × 不適切です。「担当の保育士がすべての責任をもって、単独で」という部分が誤りです。計画の実施は他の職員と連携しながら実施します。
D 〇 適切です。

19

次の文は、児童養護施設での実習における事前指導で、実習指導担当者が実習生に説明した内容である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 実習で知り得た入所児の個人情報は、福祉現場の理解を深めてもらうため、家族や友人に話しても構わない。
  • B 実習記録には、大学等での事後指導で振り返りができるように、利用者名を実名で記述しなければならない。
  • C 福祉現場の具体的な状況を広く一般に知ってもらうために、実名を伏せればSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に利用者の写真を掲載してもよい。
  • D 入所児から携帯番号などの個人連絡先について教えてほしいと求められた場合は、可能な限り応じるようにする。
ABCD
1×
2×
3××
4××
5××××

正解 5
A × 不適切です。実習で知り得た入所児の個人情報は、実習生であっても家族や友人に話してはいけません。
B × 不適切です。個人情報保護の観点から、利用者名を実名で記述してはいけません。イニシャル表記にするなどの工夫が必要です。
C × 不適切です。個人情報保護の観点から、SNSに利用者の写真を掲載してはいけません。掲載する場合は、事前に掲載の許可をもらうなど適切な対応をした上で行いましょう。
D × 不適切です。個人連絡先を教えるなど個人情報を開示することは適切ではありません。

20

児童養護施設で実習を行ったSさんは、事前に立てた「実習目標」に基づいた取り組みを行った。次の文は、Sさんが取り組んだ内容についての記述である。実習内容として不適切な記述を一つ選びなさい。

  • 1 「子どもたちの名前を覚え、1日の生活の流れを学ぶ」ために、保育士の行う業務について一緒に取り組んだ。
  • 2 「子どもたちに積極的にかかわり、それぞれの行動上の特徴を知る」ために、子どもたちと一緒に遊んだり、勉強を教えたりした。
  • 3 「子どもたちの言動の背景について検討する」ために、子どもたち全員に入所理由や家族の所在などの個人情報について直接質問した。
  • 4 「職員間の連携について学ぶ」ために、家庭支援専門相談員や心理療法担当職員から業務内容について話を聞いた。
  • 5 「実習体験をもとに省察・自己評価を行う」ために、それまでの実習への取り組みおよび認識について実習指導担当者から助言を得た。

正解 3
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。
3 × 不適切です。子どもたちの入所理由や家族の所在は個人情報保護の観点から、直接質問することは適切ではありません。
4 〇 適切です。
5 〇 適切です。