平成29年度 保育試験 過去問題
ABCD | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇〇×〇 |
3 | 〇×〇〇 |
4 | ×〇×× |
5 | ××〇× |
正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。物質に対して用いる場合は「臨界期」と示されますが、人の場合は「感受性期」で示されます。
エリクソン(Erikson, E.H.)によると、発達段階にはそれぞれ顕在化する( A )課題がある。成人期においても危機的状況に直面するが、否定的要素の( B )よりも肯定的要素の( C )が優位となって課題は達成される。その後、高齢期においても、否定的要素を排除するのではなく、それをも含めて( D )していくことによって課題が達成されるが、そこに至るには大きな困難が伴う、と考えられている。
【語群】
ア 拡散 イ 心理生理的 ウ 孤立性 エ 生殖性 オ 親密性 カ 停滞 キ 統合 ク 心理社会的 ケ 融合
ABCD | |
1 | イ ア エ ケ |
2 | イ ウ オ キ |
3 | イ エ カ キ |
4 | ク カ エ キ |
5 | ク キ ア ケ |
正解 4
エリクソン(Erikson, E.H.)によると、発達段階にはそれぞれ顕在化する( A ク:心理社会的 )課題がある。成人期においても危機的状況に直面するが、否定的要素の( B カ:停滞 )よりも肯定的要素の( C エ:生殖性 )が優位となって課題は達成される。その後、高齢期においても、否定的要素を排除するのではなく、それをも含めて( D キ:統合 )していくことによって課題が達成されるが、そこに至るには大きな困難が伴う、と考えられている。
A ク:エリクソンは心理社会的発達の8段階の各時期には、心理社会的課題(発達課題)と心理社会的危機があるとしました。
B カ:成人期の心理社会的危機は「停滞」です。
C エ:成人期の心理社会的課題(発達課題)は「生殖性(世代性)」です。
D キ:高齢期(老年期)の発達課題は「統合性(完全性)」です。
テキストにてそれぞれの段階の特徴を確認しておきましょう。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇×〇 |
3 | 〇×〇× |
4 | ×〇〇× |
5 | ×××× |
正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。心の理論は4歳以降に獲得されますので、通常5歳児は他社が自分とは違う信念を持つことを理解できます。
D 〇 適切です。
1 | ハヴィガースト(Havighurst, R.J.) |
---|---|
2 | ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.) |
3 | レヴィン(Lewin, K.) |
4 | ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.) |
5 | バルテス(Baltes, P.B.) |
正解 2
ヴィゴツキーは、社会に対して発する言葉(外言)が発達し、その後自分自身が思考するための言葉(内言)が発達すると考えました。
ハヴィガーストはアメリカの教育心理学者で人間の発達課題と教育について研究しました。レヴィンはアメリカで活躍した心理学者で「場の理論」を提唱しました。ブロンフェンブレンナーはアメリカの発達心理学者で生態学的発達理論を提唱しました。バルテスはドイツの心理学者で生涯発達心理学を提起しました。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇×× |
3 | 〇××〇 |
4 | ××〇〇 |
5 | ××〇× |
正解 4
A × 不適切です。マーシアは、モラトリアムなどのアイデンティティ地位について研究しました。学童期を心理・性的発達段階理論の第4段階の潜伏期と分類したのは、フロイトです。
B × 不適切です。チャムグループは中学生頃の仲間との関係です。相互の意見の違いなどを尊重し合う関係は、高校生の頃にみられるピアグループの特徴です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | ア イ ウ エ |
2 | ア エ ウ イ |
3 | イ ア エ ウ |
4 | ウ ア イ エ |
5 | ウ ア エ イ |
正解 5
A ウ スクリプトとは、事象や行為の時系列的な知識のことです。
B ア 共同注意とは、子どもが他の人と同じように物体や人物に対して注意を向けている状態のことです。
C エ 社会的参照とは、子どもが母親などの大人の情動的反応(表情など)の情報を用いて、自らの行動を調整することをいいます。
D イ 延滞模倣とは、手本となる行動を観察し,すぐに模倣するのではなく,それを記憶に留めて後に真似する能力のことです。
テキストの試験によく出る語句集を確認しておきましょう。
ABCD | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇〇×× |
3 | 〇×〇× |
4 | ×〇×〇 |
5 | ××〇〇 |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。扱いにくい子に対しては、人によってはそれを負担と感じることもあります。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。出だしの遅い子は、機嫌の良いことが多いのが特徴です。
集団の中に入りたいという思いは、幼児期の子どもたちにとってごく自然なことである。幼児期にみられる欲求を分類すると、愛情をもって養育されたいという生理的欲求、安全の欲求、そして、それらが満たされた子どもは集団に所属したいという所属の欲求、さらに、認められたいという承認の欲求を抱きつつ、幼児期にふさわしい( )へと動機づけられる。すなわち( )は、集団の中で自発的な遊びや学びを通して個性を発揮しようとすることである。
1 | コンピテンス |
---|---|
2 | 自己決定 |
3 | エンパワメント |
4 | 自己実現 |
5 | セルフ・モニタリング |
正解 4
集団の中に入りたいという思いは、幼児期の子どもたちにとってごく自然なことである。幼児期にみられる欲求を分類すると、愛情をもって養育されたいという生理的欲求、安全の欲求、そして、それらが満たされた子どもは集団に所属したいという所属の欲求、さらに、認められたいという承認の欲求を抱きつつ、幼児期にふさわしい( 自己実現 )へと動機づけられる。すなわち( 自己実現 )は、集団の中で自発的な遊びや学びを通して個性を発揮しようとすることである。
「生理的欲求」「安全の欲求」「所属(社会的)の欲求」「承認(尊重)の欲求」というキーワードからマズローの5段階欲求を思い出しましょう。マズローはこれら4つの欲求が満たされると、最後に「自己実現の欲求」が生まれるとしました。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇〇× |
3 | 〇〇×〇 |
4 | 〇×〇〇 |
5 | ×〇〇〇 |
正解 ―
平成30年に保育所保育指針が改定されました。
“第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」”は“第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」、2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」、3「3歳以上の保育に関するねらい及び内容」の(3)「保育の実施に関わる配慮事項」及び 4「保育の実施に関して留意すべき事項」”に変更となりました。
A 〇 記述の通りです。
保育所保育指針 第2章 保育の内容 1(3)イ参照。
B 改定により問題不成立
保育所保育指針 第2章 保育の内容 2(2)「ねらい及び内容」(ウ)④ 参照
C × 誤りです。子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。
保育所保育指針 第2章 保育の内容 4(1)ウ参照。
D 〇 記述の通りです。
保育所保育指針 第2章 保育の内容 4(1)ア参照。
A ボールを投げる
B 鬼ごっこで走って逃げる
C 平均台の上を歩いて渡る
D マットの上で前転する
E なわとびで二重跳びをする
【語群】
ア 平衡系動作 イ 移動系動作 ウ 操作系動作
ABCDE | |
1 | ア ア ア イ ウ |
2 | ア イ ウ ウ イ |
3 | ウ ア ウ ウ ア |
4 | ウ イ ア ア ウ |
5 | ウ イ ウ イ ウ |
正解 4
平衡系動作とは、姿勢の変化や安定性を伴う動作のことです。「立つ」「乗る」「渡る」「回る」など。
移動系動作とは、重心の移動を伴う動作のことです。「歩く」「走る」など。
平衡系動作とは、人や物を操作する動作のことです。「投げる」「蹴る」「打つ」など。
【事例】
4歳児クラスに進級した頃のT君(男児)は思いどおりにならないと、噛んだり、物を投げたり、ひっくり返って泣き続けたりして、仲間とうまく関わることができなかった。また、活動中に保育室から出てしまうことがしばしばみられた。以下は、T君の6月以降 の様子である。
6月:朝の集まりのとき、それぞれが「好きなもの」を発表しあうなかで、U君(男児)が「ボク、T君が好きー」と言った。クラス全員の前で「好き」と言われ、落ち着きなく座っていたT君は慌てて座り直し、姿勢を正して、嬉しそうにしていた。
7月:クラスで乱暴なことをしてしまった時に、そのことを友達に言われても、以前のような激しい行動や大きな混乱は少なくなってきた。
9月:おままごとの最中に、T君は誤ってGちゃん(女児)の袖口に水をかけてしまった。“しまった” というT君の表情に対して、Gちゃんは「いいよ、いいよ、すぐに乾くから」と言った。その言葉にT君は、ほっとしたような表情をみせた。そして気持ちが混乱することなく、おままごとが続いていった。
12月:ゲームで自分の思いどおりにならないと、今までは泣いて保育室から飛び出してしまっていたが、初めて保育室の入口のところで座り込んでみんなの様子を見ていた。ゲームが終わったあと、保育士がT君のところに行き、「ゲーム、楽しかったよ。でもT君がいたほうが、もっともっと楽しかったのにな!」と伝えた。
2月:発表会で『桃太郎』をすることになったが、鬼役のなり手がいなかった。T君は自分から「やる」と鬼役をかってでて、クラスの皆から「ありがとう」と言われた。この頃から、遊びの輪から飛び出していっても、保育士が誘うと自分で気持ちを切り換えて参加してくるようになった。
【設問】
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 思いもよらない友だちの言葉が、T君自身の自己の理解により好ましい影響を与えたと考えられる。
B 集団の一員としてルールを守って友だちと楽しく遊べるようにと、保育士がT君に言い聞かせたという働きかけが役立ったと考えられる。
C 皆から感謝される喜びを通して、自己概念が肯定的なものとなり、さらに情動を制御できるようになっていったと考えられる。
D T君は他者による評価を自分自身の基準として取り入れ、行動が変化していった。またその結果、仲間からの見方も変わり、さらにT君の自己概念も変化していったと考えられる。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇×〇〇 |
3 | 〇×〇× |
4 | ×〇×〇 |
5 | ×〇×× |
正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。事例の記述のような保育士が集団のルールを言い聞かせている箇所は見当たりません。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
2歳頃に、「自分でやりたい」「イヤ」というような( A )が始まる。これはまわりの大人からすると、わがままを言っているように受け止められるが、自分でやりたいという自我が発達した証である。
その後、自分の思いを主張するだけでなく、集団の中で相手にあわせて自分の気持ちを抑える( B )が伸びていく。このような力には、相手の気持ちを推測し、理解して、自分の気持ちを調節する( C )や、ルールに気づき、守ろうとする( D )が関連している。
【語群】
ア 規範意識 イ 自己抑制 ウ 共感 エ 情動調整 オ 連帯意識 カ 自己主張
ABCDE | |
1 | イ カ ウ ア |
2 | イ カ ウ オ |
3 | イ カ エ ア |
4 | カ イ ウ オ |
5 | カ イ エ ア |
正解 5
2歳頃に、「自分でやりたい」「イヤ」というような( A 自己主張 )が始まる。これはまわりの大人からすると、わがままを言っているように受け止められるが、自分でやりたいという自我が発達した証である。
その後、自分の思いを主張するだけでなく、集団の中で相手にあわせて自分の気持ちを抑える( B 自己抑制 )が伸びていく。このような力には、相手の気持ちを推測し、理解して、自分の気持ちを調節する( C 情動調整 )や、ルールに気づき、守ろうとする( D 規範意識 )が関連している。
A カ 「やりたい」「「イヤ」など自分の気持ちを主張しているので、自己主張です。
B イ 自分の気持ちを抑えるのは、自己抑制です。
C エ 自分の気持ちを調節するのは、情動調整です。
D ア ルールに気づき、守ろうとするのは、規範意識です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇〇×〇 |
3 | ×〇〇〇 |
4 | ×〇×〇 |
5 | ××〇× |
正解 3
A × 不適切です。できないことだけに注目するのではなく、できることに注目するべきです。
保育所保育指針 第2章 子どもの発達 2 発達過程参照。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
幼い子どもは、不安や恐怖を感じたときに、保育者への接近・接触によって安心感を得る。そうした経験を積み重ねると、保育者がその場にいなくても、保育者のイメージを思い浮かべて、安心するようになる。この経験がその後の人との関係性の基盤になる。
1 エントレインメント
2 象徴機能
3 三項関係
4 内的ワーキング・モデル
5 観察学習
正解 4
内的ワーキングモデルは頻出ですので、テキストでしっかりと確認しておきましょう。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇×× |
3 | 〇×〇× |
4 | ×〇×〇 |
5 | ××〇〇 |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。記述のような基礎学力を培う活動を充実させることは求められていません。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。保育所児童保育要録は、「子どもの育ちを支えるための資料」であり、「基礎学力の資料」ではありません。
保育の計画に基づく実践のプロセスは、( A )から始まる。それに基づいてクラス等の保育方針、重点目標を指導計画として作成する。次に計画に基づく( B )、保育活動の実施状況における( C )、その結果から指導計画に関する( D )に結びつけると、( A )が深まる。
1 | A 幼児理解B 改善C 反省・評価D 保育の展開 |
---|---|
2 | A 保育の展開B 反省・評価C 改善D 幼児理解 |
3 | A 幼児理解B 保育の展開C 改善D 反省・評価 |
4 | A 幼児理解B 保育の展開C 反省・評価D 改善 |
5 | A 改善B 反省・評価C 幼児理解D 保育の展開 |
正解 4
保育の計画に基づく実践のプロセスは、( A 幼児理解 )から始まる。それに基づいてクラス等の保育方針、重点目標を指導計画として作成する。次に計画に基づく( B 保育の展開 )、保育活動の実施状況における( C 反省・評価 )、その結果から指導計画に関する( D 改善 )に結びつけると、( A 幼児理解 )が深まる。
保育所保育指針 第1章 総則 3 保育の計画及び評価やPDCAサイクルを参考に考えましょう。
ABC | |
1 | 〇〇〇 |
2 | 〇〇× |
3 | 〇×× |
4 | ×〇〇 |
5 | ××× |
正解 4
A × 不適切です。2歳以前は言葉で表す力が未発達なため、言葉による攻撃よりも身体的攻撃が多くみられます。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇〇× |
3 | 〇〇×〇 |
4 | ××〇× |
5 | ×××× |
正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
正解 3
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。
3 × 不適切です。単回性(一度きりのもの)と繰り返されるトラウマは同様ではありません。
4 〇 適切です。
5 〇 適切です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇××〇 |
3 | 〇××× |
4 | ×〇×× |
5 | ××〇〇 |
正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。施設で育てられた子ども以外でも起こります。
C × 不適切です。身体的虐待だけでなく、精神的虐待やネグレクトなどが原因の場合もあります。
D 〇 適切です。