令和3年度 保育試験 過去問題
ABCD | |
1 | アエウオ |
2 | アオウエ |
3 | イウオエ |
4 | イエオウ |
5 | イオエウ |
正解 4
A-イ SSP(ストレンジ・シチュエーション法)についての記述です。
B-エ Aタイプ(回避型)についての記述です。
C-オ Bタイプ(安定型)についての記述です。
D-ウ Cタイプ(アンビバレント型)についての記述です。
【事例】
2~5歳児の子どもたちが砂場でそれぞれ遊んでいた。保育士が来ると、ある子どもが皿に型抜きをした砂を盛って「ハンバーグ」と言って差し出した。すると保育士は「わぁ、おいしそー」と言って、食べる真似をしたが、それがあまりにも上手で本当に食べてしまったようにも見えた。これに対して、子どもたちは次のような反応を示した。
2歳児: 保育士の様子をジーっと見つめた後、型抜きをした砂を食べられるものだと思ったのか、自分も一緒になって本当に食べようとした。
3歳児: 保育士の様子を不思議そうに見つめた後、少し気持ちが混乱したかのように「おいしい?」と聞いてきた。
4歳児: 「それ食べたら病気になるよ!」「早く口から出してー!」と焦った様子で保育士に伝えた。
5歳児: ちょっと驚いた様子をみせたが、冗談だと理解したのか「じゃあ、今度はこれも食べてー」と、次々、型抜きをした砂ハンバーグを持ってきて、「僕も食べるよー。なーんてね、嘘だよー」と言った。
【設問】
次のA~Dのうち、上記の事例の説明として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 子どもの反応として、大まかには「信じ込み」から「疑い」そして「笑い」へという発達変化がみられる。
B 不可思議な出来事に対して、「疑い」の気持ちを持ちつつも、同時に「信じる」心もあわせ持っている。
C 虚構の世界と現実の世界の境界を揺れ動きながら、世界に対するものの見方や考え方を経験していく。
D ごっこ遊びの中で、子どもは虚構を虚構として認識することで、怖いものや不思議を楽しむようになる。
ABCD | |
1 | ○○○○ |
2 | ○×○× |
3 | ○××○ |
4 | ×○×× |
5 | ××○○ |
正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | ○○○○ |
2 | ○○×○ |
3 | ○×○○ |
4 | ×○○○ |
5 | ×○○× |
正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。子どもの初期の言語には物の名前をあらわす名詞(「ママ」「パパ」「わんわん」「まんま」等)の方が、動作をあらわす動詞(「ネンネ」「ナイナイ」「ダッコ」等)よりも多く含まれるといわれています。
D 〇 適切です。
ヒトにおいては、発達の過程の中で遺伝と環境の問題は、( A )が発達を規定していると捉えられている。また、近代の高度産業社会の成立とともに、世代が新たになるにつれて、様々な発達が低年齢化したり、集団や地域差が生じるという( B )が指摘された。( B )には2つの側面がみられる。一つは、発達速度や発達水準の差を異なる世代間の相違とする( C )であり、①身長・体重の伸び、②第二次性徴発現の低年齢化などがあげられる。もう一つは、発達速度や発達水準の差を同世代間の集団差、地域差とする( D )であり、①都市部の青少年は、それ以外の郡部の青少年に比較して身長が高い、②都市部の児童は、それ以外の郡部の児童よりも性成熟が低年齢化している、などがあげられる。
ABCD | |
1 | アウオカ |
2 | アエカオ |
3 | イウエカ |
4 | イエオカ |
5 | イカウエ |
正解 4
ヒトにおいては、発達の過程の中で遺伝と環境の問題は、( A イ 遺伝と環境の相互作用 )が発達を規定していると捉えられている。また、近代の高度産業社会の成立とともに、世代が新たになるにつれて、様々な発達が低年齢化したり、集団や地域差が生じるという( B エ 発達加速現象 )が指摘された。( B エ 発達加速現象 )には2つの側面がみられる。一つは、発達速度や発達水準の差を異なる世代間の相違とする( C オ 年間加速現象 )であり、①身長・体重の伸び、②第二次性徴発現の低年齢化などがあげられる。もう一つは、発達速度や発達水準の差を同世代間の集団差、地域差とする( D カ 発達勾配現象 )であり、①都市部の青少年は、それ以外の郡部の青少年に比較して身長が高い、②都市部の児童は、それ以外の郡部の児童よりも性成熟が低年齢化している、などがあげられる。
ピアジェの発生的認識論では、2~7歳の子どもは( A )にあたる。この時期は( B )と( C )とに分けて考えられている。この説によれば( B )では、子どもは2頭のゾウを見て、そこから共通性を取り出しゾウというひとまとまりである類として捉えることは難しく、「ゾウの花子」「ゾウの太郎」というようにそれぞれ個として考える。( C )では、カテゴリーを伴う思考ができるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになる。例えば、大きさだけで理解していたことが、大きさと重さの2つから考えられるようになり、「大きいけれど軽い」などの判断が可能になる。しかし、その一方で、この時期の子どもの判断は見かけにより左右され、また他人の視点にたって物事を捉えて行動することが難しいことなどをピアジェは( D )と名づけた。
ABCD | |
1 | アウオク |
2 | アウカキ |
3 | アエオキ |
4 | イウカク |
5 | イエオキ |
正解 5
ピアジェの発生的認識論では、2~7歳の子どもは( A イ 前操作期 )にあたる。この時期は( B エ 前概念的思考 )と( C オ 直感的思考 )とに分けて考えられている。この説によれば( B エ 前概念的思考 )では、子どもは2頭のゾウを見て、そこから共通性を取り出しゾウというひとまとまりである類として捉えることは難しく、「ゾウの花子」「ゾウの太郎」というようにそれぞれ個として考える。( C オ 直感的思考 )では、カテゴリーを伴う思考ができるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになる。例えば、大きさだけで理解していたことが、大きさと重さの2つから考えられるようになり、「大きいけれど軽い」などの判断が可能になる。しかし、その一方で、この時期の子どもの判断は見かけにより左右され、また他人の視点にたって物事を捉えて行動することが難しいことなどをピアジェは( D キ 自己中心性 )と名づけた。
abcd | |
1 | アイウエ |
2 | アウイエ |
3 | ウイエア |
4 | エアウイ |
5 | エウイア |
正解 5
a エ
b ウ
c イ
d ア
ABCD | |
1 | ○○×× |
2 | ○×○× |
3 | ○××○ |
4 | ×○○○ |
5 | ×○○× |
正解 3
A 〇 記述の通りです。
B × 誤りです。保育士が子どもの関心を方向づけるのではなく、子どもが探索意欲を満たして自由に遊べるように環境を整えることが大切です。
C × 誤りです。保育士が主導するのではなく、乳児保育は愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要です。
D 〇 記述の通りです。
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」 参照。
ABCD | |
1 | ○○○× |
2 | ○×○× |
3 | ○××○ |
4 | ×○○○ |
5 | ×○×× |
正解 4
A × 不適切です。観察法には、自然的観察法(子どもの自然な姿を観察する方法)、実験的観察法(例として一定の時間子どもをグループで遊ばせて、その様子を観察する)、参加観察法があります。行動観察により、子どもの発達状態や、対人傾向、行動傾向などの情報を得ることができます。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | ○○×○ |
2 | ○○×× |
3 | ○×○× |
4 | ×○○○ |
5 | ××○× |
正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 保護者支援は外部専門機関に託すのではなく、市町村や関係機関と連携及び協力を図りしつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めます。
D × 就学に際して、子どもの就学先については市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分な情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定します。
「保育所保育指針」第4章「子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」参照。
小学生の中・高学年に形成される( A )の高い仲間集団は( B )と呼ばれる。 ( B )は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる( C )は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。( C )が( B )と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D )な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E )の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。
ABCDE | |
1 | アイエクキ |
2 | アイカオケ |
3 | アイカクキ |
4 | ウエイクキ |
5 | ウカエオケ |
正解 1
小学生の中・高学年に形成される( A ア 凝集性 )の高い仲間集団は( B イ ギャング・グループ )と呼ばれる。( B イ ギャング・グループ )は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる( C エ チャム・グループ )は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。( C エ チャム・グループ )が( B イ ギャング・グループ )と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D ク 排他的 )な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E キ 少子化 )の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。
ABCD | |
1 | ○○×× |
2 | ○×○○ |
3 | ○×○× |
4 | ×○○○ |
5 | ×○×○ |
正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。学童期(児童期)は「勤勉 対 劣等感」です。「自主性(自発性) 対 罪悪感」は第3段階の幼児期後期です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | ○○○○ |
2 | ○○○× |
3 | ×○○○ |
4 | ×××○ |
5 | ×××× |
正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
1 | A B |
---|---|
2 | A C |
3 | B C |
4 | B D |
5 | C D |
正解 4
A × 不適切です。待機児童数は減少しています。平成31年の待機児童数が多いのは「1・2歳児」です。
※「保育所等関連状況取りまとめ」は令和3年4月1日版が最新です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。平成29年人口動態統計では、婚姻件数は60万7000組、離婚件数は21万2000組なので、割合はほぼ4:1ではなく「ほぼ3:1」です。
※「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計について」が最新です。
D 〇 適切です。
※「男女共同参画白書」は令和3年版が最新です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇〇×〇 |
3 | 〇×〇× |
4 | ××〇〇 |
5 | ×××〇 |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。「受容」とは保護者のありのままの姿を受け止めることです。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助することが求められます。
ABCD | |
1 | 〇〇〇〇 |
2 | 〇〇×〇 |
3 | 〇×〇× |
4 | ×××〇 |
5 | ×××× |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。幼児期のいざこざの原因は、男児では「不快な働きかけ」、女児では「偶発」が多いです。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。「相手の気持ちに共感する」「他人の立場になって考える」行動は、4~5歳辺りからできるようになります。
【事例】
ある保育所で5歳児クラスの男児4人は、砂場で高い山を作ろうとして、山の近くの砂をかき集める、バケツに砂を入れて渡す、バケツを受け取って砂をかけるなどしている。その様子を見て、同じクラスのP君が「僕も入れて」と言いながらやって来た。男児4人は「ねぇ、P君は仲間だったっけ?」「最初から(砂山作りに)いなかったよねぇ」などと言い始めた。仲間に入りたいP君は「僕は力持ちだからたくさん砂を運べるよ」と訴えると、男児のうち一人が「そうだ、P君は力持ちなんだよね」と認め、他の男児も「そっか、P君が入ればパワーアップだ」と答え、4人は納得してP君を砂山作りの仲間に入れることにした。
【設問】
この事例と、最も関連性の低い用語を一つ選びなさい。
1 | 帰属意識 |
---|---|
2 | 協同性 |
3 | 自己主張 |
4 | 自他比較 |
5 | 社会的参照 |
正解 5
1 「帰属意識」は「ある集団に属している、またはその集団の一員であるという意識や感覚」を意味するので、関連性があります。
2 「協同性」は「共に力や精神を併せて物事に当たること」を意味するので、関連性があります。
3 「自己主張」は「自分自身の意見や考えや欲求を他人に伝えること」を意味するので、関連性があります。
4 「自他比較」は「自分と他人を比較すること」を意味するので、関連性があります。
5 「社会的参照」は「初めて出会う場面や,赤ちゃんが自分だけの経験や知識では判断に迷う様な場面で,主に養育者の方を見て自分の行動を決める行動のこと」を意味するので、最も関連が低いです。
ABCD | |
1 | アイオウ |
2 | イアエオ |
3 | イオウア |
4 | エイオウ |
5 | エウアイ |
正解 4
A-エ マイクロシステムは、子どもが行動を直接展開する家庭、学校、保育所などを指します。
B-イ メゾシステムは、職場や地域社会など複数のマイクロシステムが相互に影響し合うものを指します。
C-オ エクソシステムは、マスメディア、家族の友人など子どもに間接的な影響を与えるものを指します。
D-ウ マクロシステムは、文化のなかに存在している思想や考え方などを指します。
アのクロノシステムは、人生に影響を与えているライフイベント、時代的な流れを指します。
【設問】
次のA~Dのうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 各国の「全体」では、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合は、アメリカ、ドイツ、スウェーデンでは6割を超えるが、日本はおおよそ5割である。
B 各国の「全体」では、日本、ドイツ、スウェーデンでは「週に1回以上」の割合が最も高く、次いで日本とスウェーデンでは「月に1~2回」の割合が高くなっている。
C 「男性」に着目すると、日本とドイツの男性は、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合が5割を下回っている。
D 性別で比較すると、4か国とも「ほとんど毎日」の割合は男性より女性で高く、特にアメリカとドイツでは女性の割合が男性よりも 10%以上高い。
ABCD | |
1 | ○○×× |
2 | ○×○× |
3 | ○××○ |
4 | ×○○○ |
5 | ×○×○ |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。スウェーデンは1番目が「週1回以上」、2番目が「ほとんど毎
日」です。
C × 不適切です。ドイツは「ほとんど毎日」と「週1回以上」を合わせた割合は5割を超えます(53.5%)。
D 〇 適切です。
※「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」は令和3年3月版が最新です。
A 日本は30.9%です。
B 4か国とも「週に1回以上」が最も多いです。
C 「ほとんど毎日」と「週1回以上」を合わせた割合は、日本は23.3%、ドイツは41.4%です。
D ドイツでは、「ほとんど毎日」(男性 16.0%、女性 17.2%)の割合に、男女差はみられません。
ABCD | |
1 | 〇〇×〇 |
2 | 〇〇×× |
3 | 〇×〇〇 |
4 | ××〇〇 |
5 | ×××〇 |
正解 4
A × 不適切です。選択性緘黙とは、言葉を話す能力には、おおむね問題がないにもかかわらず、保育所のような「特定の場面」になると一貫して話さなくなる状態をいいます。
B × 不適切です。選択性緘黙の障害は、授業中に当てられても発言することができない等の学業上の問題や、対人的コミュニケーションを妨げるものとなります。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
【事例】
ある 26 歳の保護者から保育士に次のような相談があった。「数か月前のある日、会社に遅刻した際に上司から注意を受けたが、それ以来たびたび息苦しさを感じるようになった。会社だけでなく、家でも、通勤途中の電車の中でも急に呼吸ができないような感じに襲われ、これがあまりにも度重なるため、『いつかまた突然同じ症状が出現するのではないか』と考えるだけで不安でたまらない。」
【設問】
この事例で最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。
1 | 統合失調症 |
---|---|
2 | 自閉スペクトラム症 |
3 | うつ病 |
4 | パニック障害 |
5 | 疼痛性障害 |
正解 4
事例はパニック障害の記述です。三大症状として、突然理由もなしに強い不安と共に動悸や発汗、手足の震えといった症状が起きる「パニック発作」、またパニック発作が起こるのではないかと恐れる「予期不安」、発作が起こりそうな場所や状況を避ける「回避行動」があります。うつ症状を併発する場合もあり、外出や仕事など日常生活に支障をきたします。