三幸保育カレッジ

平成30年度 保育試験 過去問題

「保育の心理学(前期)」

平成30年度 保育士試験問題(前期)

1

次の文は、発達に関する理論についての記述である。( A )~( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)は、生態学的システム論において、人が日常生活で直接・間接に関わりをもつ社会的文脈を、入れ子状の多層モデルとして示した。一人の子どもを中心とすると、第1層は、子どもと親の関係、子どもときょうだ いとの関係、子どもと保育士との関係などがあげられ、(A マイクロシステム)と呼んでいる。第2層の(B エクソシステム)では、子どもが保育所に通っているならば家 庭と保育所、子どもが小学校に通っているならば家庭と小学校との関係などを示している。第3層の(C メゾシステム)では、親の職業・職場、きょうだいの通う小学校などがあげられている。第4層は(D マクロシステム)と呼び、信念体系、価値観、法律、文化などの社会的文脈が第1層から第3層を取り囲んでいる。

1×
2××
3××
4×
5×××

正解 3
A 〇 記述の通りです。
B × 誤りです。エクソシステムではなく、メゾシステムです。
C × 誤りです。メゾシステムではなく、エクソシステムです。
D 〇 記述の通りです。

テキストで学習した内容は、確実に解きましょう。

2

次の文は、認知発達のメカニズムに関する記述である。【Ⅰ群】の人名及び用語と、 【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A ケーラーの洞察
  • B パブロフのレスポンデント条件付け
  • C バンデューラの観察学習
  • D スキナーのオペラント条件付け

【Ⅱ群】

  • ア レモンを思い浮かべただけで、唾液が出てきた。
  • イ 背伸びしても届かない所に置かれた玩具を取ろうとしていた子どもが、突然ひらめいたように、箱を踏み台として使った。
  • ウ 正義の味方が活躍するテレビ番組が放送された翌日には、クラスでヒーローごっこが、いつもより盛んに行われた。
  • エ ラジオ体操に参加するとスタンプがもらえるので、休まずに参加した。
A B C D
1ア イ ウ エ
2イ ア ウ エ
3イ エ ア ウ
4ウ ア イ エ
5ウ エ イ ア

正解 2

3

次の文は、子ども同士のトラブルに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 3歳頃に物や場所の取り合いによるトラブルが多いのは、自分の思いを言葉で表現することが十分にできないことが原因の一つであると考えられる。
  • B 子ども同士のトラブルへの保育士の対応として、どのような場合も見守る・待つ姿勢が大切である。
  • C ルールを守らないことによるトラブルが5歳頃に多く生じるのは、集団での遊びが活発になってきていることが一つの要因と考えられる。
  • D 子ども同士のトラブルへの対応として、5歳頃では、保育士は直接的に関与することはない。
ABCD
1
2××
3××
4××
5××××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。子ども同士のトラブルに対して、「どのような場合も」という記述が誤りです。基本的には見守ることが大切です。そして、状況に合わせて対処方法を変えていくことにより、子どもにとってプラスの効果を与えることができるでしょう。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。5歳頃であっても、子どもだけでは解決が難しければ保育士が直接的に関与することもあります。

4

次の説明及び図は、環境閾値説に関するものである。( ア )~( エ )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

説明
ジェンセン(Jensen, A.R.)は、心身の諸特質の( ア )が顕在化するのに必要な ( イ )の質や量は、その特性によってそれぞれ違いがあり、各特性に固有な一定の水準(閾値)があるという見解を述べている。その見解によると特性Aは、極端に不適 切な環境でないかぎり、ほぼ完全に発達の可能性が現れる。特性Bは、( ウ )などがこれにあたり、中程度の環境条件が閾値となるものである。特性Cは、環境条件にほぼ比例して発達の可能性が顕在化するもので、( エ )などがこれに当たる。特性Dは、きわめて可能性が好適的な環境条件や特別な教育訓練によって、はじめて顕在化するものである。

1ア 遺伝的可能性イ 環境条件ウ 学業成績エ 知能検査の成績
2ア 遺伝的可能性イ 相互作用ウ 知能検査の成績エ 学業成績
3ア 環境条件イ 相互作用ウ 知能検査の成績エ 学業成績
4ア 遺伝的可能性イ 環境条件ウ 知能検査の成績エ 学業成績
5ア 環境条件イ 相互作用ウ 学業成績エ 知能検査の成績

正解 4
「環境閾値説」とは「発達は、特性によって環境条件の働き方が異なり、遺伝的な特性が発現するかどうかは、環境条件が、特性ごとに決まっている閾値(一定の水準)を超えるかどうかによる」という考え方です。
解説図は、環境条件と特性が現れる関係を示しています。具体的には、特性Aは身長や体重、特性Bは知能検査の成績、特性Cは学業成績、特性Dは絶対音感や外国語の音韻の弁別がこれにあたります。

ジェンセン(Jensen,A.R)は、心身の諸特質の( ア 遺伝的可能性 )が顕在化するのに必要な( イ 環境条件 )の質や量は、その特性によってそれぞれ違いがあり、各特性に固有な一定の水準(閾値)があるという見解を述べている。その見解によると特性Aは、極端に不適切な環境でないかぎり、ほぼ完全に発達の可能性が現れる。特性Bは、( ウ 知能検査の成績 )などがこれにあたり、中程度の環境状況が閾値となるものである。特性Cは、環境条件にほぼ比例して発達の可能性が顕在化するもので、( エ 学業成績 )などがこれに当たる。特性Dは、きわめて可能性が好適的な環境条件や特別な教育訓練によって、はじめて顕在化するものである。

5

次の文は、乳児期の発達に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  • ・ ( A )ができるようになると、自らの意志で自由に探索行動をするようになる。
  • ・ 舌、唇、あごの筋肉を協調して動かすことができるようになると、( B )が出現する。
  • ・ ( C )を獲得すると、遊んでいたおもちゃを隠されて見えなくても存在していることを理解している。
  • ・ 快・不快の表出から、次第に、喜び、悲しみ、嫌悪、( D )など、感情表出が豊かになる。
1A 歩行B ク―イングC アニミズムD 怒り
2A 歩行B 喃語C アニミズムD 恥
3A 座位B 喃語C アニミズムD 怒り
4A 歩行B 喃語C 物の永続性D 怒り
5A 座位B ク―イングC 物の永続性D 恥

正解 4
・( A 歩行 )ができるようになると、自らの意思で自由に探索行動をするようになる。
・舌、唇、あごの筋肉を協調して動かすことができるようになると、( B 喃語 )が出現する。
・( C 物の永続性 )を獲得すると、遊んでいたおもちゃを隠されて見えなくても存在していることを理解している。
・快・不快の表出から、次第に、喜び、悲しみ、嫌悪、( D 怒り )など、感情表出が豊かになる。

6

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)による感覚運動期に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A 第1次循環反応
  • B 第2次循環反応
  • C 第3次循環反応

【Ⅱ群】

  • ア ついたての後ろにおもちゃを隠すと、おもちゃを取るために、ついたてを取り除く。
  • イ テーブルの上にある積み木をつかみ、床に落としたあと、別の積み木を違うやり方で投げてみるなど、いろいろ試してみる。
  • ウ 偶然自分の指が口に触れ、吸ってみた子どもが、そのことに興味があるというように繰り返し同じことをする。
  • エ 偶然、起き上がりこぼしを足で蹴って音が出ると、繰り返し足で蹴って音を出す。
  • オ 飛んでいるシャボン玉を目で追う。
A B C
1ウ ア オ
2ウ エ イ
3エ ア イ
4エ イ ウ
5オ エ ウ

正解 2
A ウ 第1次循環反応(3~6か月頃)… 首ふりや、手の開閉、同じ声を繰り返しだすなどといった、自分の身体に限った感覚運動の繰り返しのことを指します。
B エ 第2次循環反応(6~12か月頃)… シーツの端を繰り返しめくってみたり、ガラガラを繰り返し振るなどといった、ものを取り入れた繰り返しのことを指します。
C イ 第3次循環反応(1歳~1歳半頃)… 試行錯誤的に因果関係、空間関係を調べてみる実験をしながら事物、事象の性質を探索することを指します。

アは物の永続性について、オは追視についての記述です。

7

次の文は、幼児と他者とのかかわりに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  • A H君(男児)は、I君(男児)を追いかけている。保育室内を走り回っていたI君が「はぁー、はぁー」と言って大型積木の上に腹ばいになる。I君のあとを走っていたH君も大型積木のところへ来て「はぁー、はぁー」と言って腹ばいになる。I君が「あーぁ、疲れた」と言って起き上がり、大型積木の上に「そーれ」と言って座り直す。H君も続いて起き上がって「そーれ」と言って座り直す。
  • B J君(男児)とK君(男児)は、登園するとすぐに「きのうのつづき」と言いながら部屋の隅で大型積木で囲いを作り始めた。次に「ロケット故障、ミッションコントロール、応答ねがいます」「ロケット修理、はじめます」と言いながら、J君が両手で積木を支え、そこにK君が積木を上にのせて、2人で宇宙ステーションを作りあげた。
  • C 保育士が砂場に行くと、数名の女児が容器に砂を入れて小枝でかき回したり、砂を入れたカップに小石やちぎった葉っぱを散らしたり、容器に入れた砂を手でぱんぱんと固めようとしたりする姿が観察された。それぞれの子どもが思い思いに楽しそうにしているが、子ども同士のやりとりはみられない。
  • D 園庭に嬉しそうに飛び出したLちゃん(2歳、女児)は、5歳児クラスの子ども達がドッジボールをしている様子をじっと見ていた。Lちゃんは次に砂場に近寄って、4歳児クラスの子ども達が、砂山を作ったり、穴を掘っている様子をじっと眺めていた。「Lちゃんも一緒にやってみる?」と保育士が声をかけると、もじもじしながら後ずさりして少し離れたところでじっと遊びを見ていた。
A B C D
1イ ア エ オ
2イ ア カ エ
3オ ア ウ カ
4オ イ ア ウ
5オ イ エ カ

正解 3
パーテンが提唱した「遊びの分類(発達)」についての出題です。

A 記述は模倣についてです。
B 記述は協同遊びについてです。
C 記述は平行遊びについてです。
D 記述は傍観者的行動についてです。

イの連合遊びは他の子供とおもちゃのやりとりをして、同じようなおもちゃで遊ぶ状態。エのひとり遊びは友達と関わらずに一人だけで遊ぶ状態をいいます。

8

次の文は、心の理論をもっているかどうかを調べるための課題である。この課題について適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 正答するには、他者が自分とは違う誤った信念(誤信念)をもつことが理解できる必要がある。
  • B 自閉スペクトラム症の幼児では、知的な遅れがなければ、定型発達児より早く正答する。
  • C 正答するには、他者の心の状態を推測することができる必要がある。
  • D 3歳になると、この質問に対してほとんどの子どもが正答することができる。
CD
1
2××
3××
4××
5××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。自閉症スペクトラム障害などをはじめとする発達障害の子どもは、「心の理論」の獲得に困難を示し、正解率が年齢に対して低いと言われています。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。心の理論の獲得をテストする誤信念課題を正答できるのは4歳以降と推測されています。

有名な誤信念課題の「サリーとアン課題」がテキストに載っているので確認しておきましょう。

9

次の文は、発達観についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 子どもは生まれた時からさまざまな能力を有しており、環境に能動的に関わるという発達観は、20世紀初めに広がった。
  • B 「できる」「できない」で発達を捉える行為論的発達観と、「できることをやろうとする」「できないけれどやろうとする」という能力論的発達観がある。
  • C 発達は遺伝のみによって規定されるのではなく、社会・文化によっても規定される。
  • D 生涯発達において、青年期以降、知的能力は下降すると考えられてきたが、成人期におけるその人の経験によっては上昇する知的能力もあることが明らかにされてきた。
CD
1×
2××
3××
4××
5××

正解 5
A × 不適切です。「20世紀初めに広がった」という記述は誤りです。
B × 不適切です。「できた」「できない」で発達を捉えるのが能力論的発達観で、「できることをやろうとする」「できないけれどやろうとする」は行為論的発達観です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

10

次の乳児と母親のやりとり場面についての記述を読んで、【設問】に答えなさい。

生後9~10か月頃になると、乳児の認識世界には大きな変化が現れる。乳児を抱いている
母親が「ワンワンだね」と指し示すと、乳児は犬に視線を向ける。また、棚の上のおもちゃがほしい時に「アーアー」と言いながら身振りで母親に伝えようとする。

【設問】
次の心理学用語のうち、この記述に示されているものを○、そうでないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 三項関係
B 共同注意
C 共鳴動作
D 情動調整

1×
2××
3×
4××
5××

正解 2
A 〇 記述の通りです。
B 〇 記述の通りです。
C × 誤りです。共鳴動作とは、乳児が大人の動作にあわせて同調的・共鳴的にそれを反復すること、意識し意図することなく模倣することをいいます。
D × 誤りです。情動は明確な原因によって引き起こされる強い感情のことです。情動調整とは、情動をコントロール(調整)することをいいます。

11

次の文は、人との関わりについての記述である。A~Dのうち、この記述と関連する用語を○、そうでない用語を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

長期縦断研究によって、自分の乳幼児期の親との関係性の質が、自分が親になった時の子
どもとの関係性の質に一定程度、影響を及ぼすことが明らかになってきた。しかしその一方で、乳幼児期に望ましい親子関係を形成することができなかったとしても、適切で継続的なキーパーソンの存在によって、その後の人生において安定的な関係性を築くこともあることが示されている。

A インクルージョン
B レジリエンス
C アタッチメント(愛着)
D ソーシャル・アクション

1×
2××
3×
4××
5××

正解 4
A × 誤りです。インクルージョンは、包括、包含、一体性という意味があります。障害児も健常児も分け隔てなく通常学級で共に学ぶ仕組みをインクルージョン教育(インクルーシブ教育)といいます。
B 〇 記述の通りです。レジリエンスとは、「回復力」「復元力」あるいは「弾力性」とも訳される言葉ですが、精神医学・心理学用語では「ストレスや逆境に直面したとき、それに対応し、克服していく能力」をいいます。
C 〇 記述の通りです。
D × 誤りです。ソーシャル・アクションとは、世論を喚起するなどして立法・行政機関に働きかけ、政策・制度の改善をめざす組織行動をいいます。

12

次の【事例】を読んで【設問】に答えなさい。

【事例】
P君(5歳、男児)は、電車のおもちゃで遊んでいる。まず、(a)緑色の電車とオレンジ色の電車に分けて置いた。次に、(b)先頭を揃えて同じ色の電車をつなぎ、一番うしろが揃っていないことをしばらく見比べていた。そして、(c)一台ずつ指でおさえながら、緑色の電車を「いち、にぃ、さん、よん。」と声を出して数えた。続けてオレンジ色の電車を「いち、にぃ、さん、よん、ご。」と数えた。 (d)「オレンジでんしゃは、ごこ。」と嬉しそうに言った。

【設問】
(a)~(d)の下線部分に関連する語句を、【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

a b c d
1イ ウ オ キ
2イ ウ カ ク
3エ ア オ ク
4エ ア カ ク
5エ ウ オ キ

正解 1
a イ 電車を色別に分けているので、「分類の理解」です。
b ウ それぞれの電車の列を見比べているので、「長さの理解」です。
c オ それぞれの色の電車の数を数えているので、「計数」です。
d キ 緑色とオレンジ色の電車全部の台数を数え、オレンジ色の電車の数が全体(集合数)で5個と言っているので、「集合数の理解」です。

13

次の文は、エリクソン(Erikson, E.H.)による青年期の特徴についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

青年期を( A )の時代と呼んだ。この用語は、( B )やある種の社会的責任に猶予が認められる期間の意味で用いられている。この期間に青年は職業生活に必要な知識や技術を獲得するだけでなく、内省力が増し、自分を見つめ、積極的に( C )を行い、( D )の確立を模索するといわれている。

A B C D
1ア エ オ ク
2イ ク ア エ
3カ エ ウ イ
4キ ク ア オ
5キ ク ウ イ

正解 5
青年期を( A モラトリアム )の時代と呼んだ。この用語は、( B 経済的自立 )やある種の社会的責任に猶予が認められる期間の意味で用いられている。この期間に青年は職業生活に必要な知識や技術を獲得するだけでなく、内省力が増し、自分を見つめ、積極的に( C 社会的役割実験 )を行い、( D アイデンティティ )の確立を模索するといわれている。

14

次の文は、保育所での生活習慣の形成に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 生活習慣を身に付けるために、家庭との連携は不可欠であり、食事、排泄、睡眠について連絡帳などで情報交換を行う。
  • B 3歳以上の幼児クラスでは、午睡をするか、午睡の時間を遊んで過ごすかを幼児自身が選ぶようにする必要がある。
  • C 子どもの生活リズムの個人差を配慮するためには、ランチルームや午睡室などを設置しなければならない。
  • D 子どもが主体性を身につけるようになると、自分で判断するようになり、一旦、できるようになった基本的生活習慣行動をしなくなることもある。
ABCD
1
2××
3××
4××
5×××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。3歳以上の子どもには午睡が必要な子もいれば、必要ではない子いるため、保育士がそれぞれ個別の対応をする方が望ましいです。
C × 不適切です。子どもの生活リズムの個人差を配慮することは必要ですが、ランチルームや午睡室の設置義務はありません。
D 〇 適切です。

15

次の文は、保育所における3歳以上児での保育実践に関する記述である。次の【設問】に答えなさい。

【設問】
保育士の指導のもとに子どもたちが一斉に活動する場面で、クラスの子どもに期待されることとして、最も不適切な記述を一つ選びなさい。

1黙って、感情を出さずにじっとしていることを身に付ける。
2保育士の話は自分だけに向けられているのではないことに気づく。
3朝の会、給食などには、それぞれの手順があることを知る。
4場面に応じた話し方があることを子ども自身の発表経験などを通して知る。
5一対多のコミュニケーションが、一対一のコミュニケーションと異なることを経験する。

正解 1
「黙って、感情を出さずにじっとしていることを身に付ける」ことが誤りです。

「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」エ・オ参照。

16

次の図及び、説明は、「家族と地域における子育てに関する意識調査」(平成25年 内閣府)における「家族の役割として重要なこと」を示したものである。( A ) ~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

説明
平成19年と平成25年において、最も高いのは5割以上の「( A )」であり、家族の最も基本的機能についての年代の大きな変化はみられない。「夫または妻との愛情をはぐくむ」、「( B )」、「経済的に支え合う」は平成19年に比べ平成25年は、それぞれ10ポイント前後高い。「( C )」は最も減少しており、保育所における役割が増しているといえる。

A B C
1ア イ ウ
2ア ウ イ
3イ ア ウ
4イ ウ ア
5ウ ア イ

正解 1

平成19年と平成25年において、最も高いのは5割以上の「( A ア 生活面でお互いに協力し助け合う )」であり、家族の最も基本的機能についての年代の大きな変化はみられない。「夫または妻との愛情をはぐくむ」、「 (B イ 子どもを生み、育てる )」、「経済的に支えあう」は平成19年に比べ平成25年は、それぞれ10ポイント前後高い。「( C ウ 基本的な生活習慣や礼儀作法を身につける )」は最も減少しており、保育所における役割が増しているといえる。

17

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
1歳11か月の男児。1週間前から保育所に入所した。入所前は、母親が自宅で養育していた。入所初日からためらいもなく、どの職員にも接近してベタベタと身体的接触をし、職員室についていくなどの行動が目立った。その行動特徴は、入所1週間一貫して観察された。この男児には、こだわり行動や言葉の遅れはなく、相互的に保育士と遊ぶことはできた。

【設問】
この子どもと家族に対して保育士として行うべき対応について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 初めての入所であるため、多くの大人に接近し状況に適応しようとしていると捉え、 この男児を温かく見守る。
B 人見知りが少ないことを、他の子どもに比べて成長が早いと、肯定的に母親に伝える。
C お迎えの時の母親に対する男児の行動などをよく観察する。
D 児童相談所などの虐待通報機関に通報を行うかを保育所全体で検討する。

1
2×
3××
4×××
5××

正解 5
A × 不適切です。どの職員にも接近してベタベタとくっつく様子から脱抑制型愛着障害の可能性もふまえて、温かく見守るだけでなく適切な対応をすることが求められます。
B × 不適切です。他の子どもと比べて成長が早い、遅いと母親に伝えることは、適切な対応ではありません。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

18

次の文は、保育所における守秘義務に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 保育士は、「児童福祉法」で守秘義務が課せられている。
  • B 関係機関の話し合いのあと、個人情報が入った配布資料は、出席者が各自で管理するため持ち帰ってもよい。
  • C 児童虐待の通告義務は、守秘義務より優先される。
  • D 保育所が医療機関へ入所児の病気について個別に問い合わせる場合は、保護者の同意は不要である。
1×
2××
3××
4×
5×××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。個人情報が入った配布資料を持ち帰ることは、個人情報の保護の観点から適切な対応ではありません。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。医療機関に入所児の病気について医療機関に問い合わせる場合は、あらかじめ保護者の同意が必要です。

19

次の文のうち、保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 担当の保育士が代わる場合は、子どものそれまでの発達過程等をまとめ、引き継ぎをした。
  • B 子どもの体調が悪くないにもかかわらず、たびたび保育所を休ませてしまう保護者を強く叱責した。
  • C 子どもが登園してきた際、保護者に家庭での様子を聞くようにしている。
  • D 保幼小連携のため、保育所で小学校1年生の学習参考書を取り寄せ学習させた。
1×
2××
3××
4××
5×××

正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。「保護者を強く叱責」することは適切ではありません。保育士は保護者の自己決定を尊重し、保護者の状況を踏まえた支援やアドバイスを行なう必要があります。
「保育所保育指針」第4章「子育て支援」1「保育所における子育て支援に関する基本的事項」(1)、2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」(2)参照。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。小学校との連携は必要ですが、「保育所で小学校1年生の学習参考書を取り寄せ学習」させることは適切ではありません。
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」4「保育の実施に関して留意すべき事項」(2)「小学校との連携」参照。

20

次の文は、不登校に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 文部科学省の不登校の定義において、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況があげられている。
  • B 不登校は、病気により入院治療を受けている場合や、家計が苦しく教育費が出せないなどの経済的な問題による長期欠席も含まれる。
  • C 「平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(速報値) について」(平成28年10月 文部科学省)によると、不登校の要因で最も多いものは「いじめ」であり、過半数を占める。
  • D 学校における不登校の児童生徒への対応として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携、教育支援センターやフリースクールなどでの教育機会の確保など、さまざまな支援を検討することが推奨される。
  • E 「「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)」(平成26年7月9日 文部科学省)によると、中学校の時に不登校だった生徒について、20歳現在で就学あるいは就業している者は10%以下である。

E
1×
2××
3×××
4×××
5×××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。病気や経済的理由による長期欠席は不登校に含まれません。
C × 不適切です。記述の調査において、不登校の要因で最も多いのは「いじめ」ではなく、「家庭に係る状況」です。
D 〇 適切です。
E × 不適切です。記述の調査において、「20歳現在の就学・就業状況」は「就業のみ 34.5%」、「就学のみ 27.8%」、「就学・就業 19.6%」、「非就学・非就業18.1%」なので、10%を超えています。