令和4年度 保育試験 過去問題
ABCD | |
1 | ○○○○ |
2 | ○×○× |
3 | ○××○ |
4 | ×○○× |
5 | ×××○ |
正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。バルテスはドイツの心理学者です。「人間の発達は、子どもだけではない」として新生児から老年期までの生涯における発達過程を視野にいれた生涯発達について、「常に成長と衰退が結びついて起こる過程である」といいました。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。老年期は一般的には衰退の時期と捉えられるますが、言語的豊かさが増すなど成人期以降も発達を続ける能力もあり、また結晶性知能(過去の経験などに基づく知能)などは、むしろ老年期にこそ最高の状態になると考えられます。
1 | 環境閾値説 |
---|---|
2 | 輻輳説 |
3 | 遺伝説(生得説) |
4 | 生態学的システム論 |
5 | 環境説(経験説) |
正解 1
1 〇 適切です。
2 × 不適切です。シュテルンは「遺伝と環境は相互に依存するのではなく、両者は独立して、加算的にはたらく」という考えに基づいて輻輳説を提唱しました。
3 × 不適切です。ゲゼルらは「発達は遺伝的素質により生まれつき決められている」という考えに基づいて遺伝説を提唱しました。ゲゼルは、学習する為の準備が整っている状態を「レディネス(Are You Ready?のレディ)」と呼び、レディネスに合った学習を与えることが重要と考えました。
4 × 不適切です。ブロンフェンブレンナーは子どもの発達は取り巻く環境(①マイクロシステム ②メゾシステム ③エクソシステム ④マクロシステム ⑤クロノシステム)から影響を受けるという考えに基づいて生態学的システム理論(エコロジカルシステムセオリー)を提唱しました。
5 × 不適切です。ワトソンは「発達に遺伝的要素は関係なく、育った環境によっていかようにでもなる」という考えに基づいて「環境説」を提唱しました。
人は行動の背後に心の状態があると想像する。例えば、物に手を伸ばしている人を見ると、その人は物を取ろうとしていると解釈する。そのような人の心に関する日常的で常識的な知識をハイダー(Heider, F.)は( A )と呼んだ。他人の心の働きを理解し、それに基づいて他人の行動を予測することができるかどうかについて、心理学の領域では( B )の問題として研究されてきた。( B )は( C )と呼ばれる次に示すような方法で評価される。
【状況説明】
Sちゃんは、母親に頼まれ、チョコレートを緑の棚にしまいました。Sちゃんが遊びに行っている間、母親はお菓子作りのためにチョコレートを取り出し、それを緑の棚ではなく青の棚にしまいました。母親が部屋を出た後にSちゃんが帰ってきて、しまっておいたチョコレートを食べようとしました。
【質問】
Sちゃんはチョコレートを見つけるためにどこを探すでしょうか。
このような場所置き換え型の問題は単一の人物の( D )を問うものであり、4歳以降徐々に理解が進む。
ABCD | |
1 | アオウイ |
2 | アキカエ |
3 | クオウイ |
4 | クオカイ |
5 | クキカエ |
正解 5
人は行動の背後に心の状態があると想像する。例えば、物に手を伸ばしている人を見ると、その人は物を取ろうとしていると解釈する。そのような人の心に関する日常的で常識的な知識をハイダー(Heider, F.)は( A:ク 素朴心理学 )と呼んだ。他人の心の働きを理解し、それに基づいて他人の行動を予測することができるかどうかについて、心理学の領域では( B:キ 心の理論 )の問題として研究されてきた。( B:キ 心の理論 )は( C:カ 誤信念課題 )と呼ばれる次に示すような方法で評価される。
(中略)
このような場所置き換え型の問題は単一の人物の( D:エ 信念 )を問うものであり、4歳以降徐々に理解が進む。
ABCD | |
1 | アエウキ |
2 | アオエク |
3 | イエカク |
4 | イオウキ |
5 | イカエキ |
正解 1
A-ア B-エ C-ウ D-キ
ABCD | |
1 | ○○○× |
2 | ○○×× |
3 | ○×○○ |
4 | ××○○ |
5 | ×××○ |
正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。「量的」ではなく「質的」です。
D × 不適切です。設問は「形式的操作期」についての説明です。
ABCD | |
1 | ○○○○ |
2 | ○×○× |
3 | ○××× |
4 | ×○○○ |
5 | ×××○ |
正解 4
A × 不適切です。設問は、ギブソン(Gibson, J.J.)が提唱したアフォーダンス理論です。
B~D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | アオエイ |
2 | イエカウ |
3 | エウオカ |
4 | エオカイ |
5 | カアウエ |
正解 4
A-エ B-オ C-カ D-イ
abcde | |
1 | ウエケイア |
2 | ウクケイオ |
3 | カエウキア |
4 | ケエウキア |
5 | ケクウイオ |
正解 5
a-ケ b-ク c-ウ d-イ e-オ
ABCD | |
1 | ○○×× |
2 | ○×○○ |
3 | ○×○× |
4 | ×○×× |
5 | ×××○ |
正解 4
A × 不適切です。設問は「客体的自己」についての説明です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。「誇り」「恥」などの感情がみられるようになるのは3歳頃です。
D × 不適切です。社会的比較は発達の個人差が顕著になる(9歳の壁)小学校4年生前後から見られます。
ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、結果として一定の方向に導く心理的過程を動機づけと呼ぶ。動機づけの中でも、「ご褒美に欲しい物を買ってもらえるから」「先生に褒めてもらえるから」など他の欲求を満たすための手段としてある行動を生じさせることを( A )、「興味があるから」「面白いから」など行動自体を目的としてある行動を生じさせることを( B )という。( B )に基づく行動に対して外的な報酬を与えることによって、( B )が低下することを( C )という。これは、「他者にコントロールされて行動している」「報酬のために行動している」と認識するようになり、( D )が損なわれるためである。
1 | A:内発的動機づけB:外発的動機づけC:エンハンシング効果D:安定性 |
---|---|
2 | A:内発的動機づけB:外発的動機づけC:アンダーマイニング現象D:安定性 |
3 | A:外発的動機づけB:内発的動機づけC:エンハンシング効果D:安定性 |
4 | A:外発的動機づけB:内発的動機づけC:エンハンシング効果D:自律性 |
5 | A:外発的動機づけB:内発的動機づけC:アンダーマイニング現象D:自律性 |
正解 5
ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、結果として一定の方向に導く心理的過程を動機づけと呼ぶ。動機づけの中でも、「ご褒美に欲しい物を買ってもらえるから」「先生に褒めてもらえるから」など他の欲求を満たすための手段としてある行動を生じさせることを( A 外発的動機づけ )、「興味があるから」「面白いから」など行動自体を目的としてある行動を生じさせることを( B 内発的動機づけ )という。( B 内発的動機づけ )に基づく行動に対して外的な報酬を与えることによって、( B 内発的動機づけ )が低下することを( C アンダーマイニング現象 )という。これは、「他者にコントロールされて行動している」「報酬のために行動している」と認識するようになり、( D 自律性 )が損なわれるためである。
ABCD | |
1 | ○○〇○ |
2 | ○○○× |
3 | ○×○× |
4 | ×○×× |
5 | ×××○ |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。を「親密性 対 孤独」は「成人前期」です。
C 〇 適切です。
D × 不適切です。アイデンティティを模索するのは「青年期」です。
家族を理解する視点の一つに( A )がある。( A )とは、家族の誕生から家族がなくなるまでの過程をたどる理論であり、そこには発達段階と発達課題がある。家族を理解するためのもう一つの理論として( B )がある。家族はそれを構成する個人がいなければ成り立たないと同時に、社会との関わりをもたない家族も存在しない。このように、( B )では、多層的に積み重なって家族は存在し、互いに影響し合うという視点に立つ。一方、家族を多世代にわたって把握する方法として、三世代程度の家族の関係を図で表したものが( C )である。( C )からは、視覚的に家族の歴史を知ることで、家族に関する情報を得ることができる。
1 | A:家族ライフプロセス論B:家族バランス論C:エコマップ |
---|---|
2 | A:家族ライフプロセス論B:家族システム論C:ジェノグラム |
3 | A:家族ライフサイクル論B:家族バランス論C:エコマップ |
4 | A:家族ライフサイクル論B:家族システム論C:ジェノグラム |
5 | A:家族ライフサイクル論B:家族バランス論C:ジェノグラム |
正解 4
家族を理解する視点の一つに( A 家族ライフサイクル論 )がある。( A 家族ライフサイクル論 )とは、家族の誕生から家族がなくなるまでの過程をたどる理論であり、そこには発達段階と発達課題がある。家族を理解するためのもう一つの理論として( B 家族システム論 )がある。家族はそれを構成する個人がいなければ成り立たないと同時に、社会との関わりをもたない家族も存在しない。このように、( B 家族システム論 )では、多層的に積み重なって家族は存在し、互いに影響し合うという視点に立つ。一方、家族を多世代にわたって把握する方法として、三世代程度の家族の関係を図で表したものが( C ジェノグラム )である。( C ジェノグラム )からは、視覚的に家族の歴史を知ることで、家族に関する情報を得ることができる。
ABCD | |
1 | ○○×○ |
2 | ○○×× |
3 | ○×○× |
4 | ×○○○ |
5 | ××○○ |
正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。「子育てや教育にお金がかかりすぎるから(56.3%)」が最も多いです。
D × 不適切です。親子間の葛藤は青年期初期に最も多く、青年期後期では親との対立を経て自立を遂げていくので、親は子どもの実情に合うように変える必要はありません。
【事例】
Rちゃん(4歳、女児)は、昨年から保育所に通っている。日常の動きや運動機能は、特に気になることはないが、「マンマ/ママ/ワンワン/バイバイ」という単語の表出、および「(リン)ゴ」など語の一部の表出はあるものの、年齢に比べて言葉の表出に顕著な遅れがみられた。発音には不明瞭さがあり、「バイバイ」が「アイアイ」と聞こえることがある。簡単な指示は理解しており、「ご飯だよ」「お出かけするよ」などの声かけには応じるが、保育士の言うことがわからないことがあるようだと指摘された。Rちゃんは、園庭では年齢の低いクラスの児と砂場で遊んでいることが多い。担当保育士から促され、母親は地域の保健センターに相談に行くことになった。
【設問】
次のうち、担当保育士がRちゃんの発達支援に向けて留意しておくべきこととして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 簡単な指示は理解できても、保育士の指示が理解できないことがあるという背景には、決まった習慣として使われる範囲を超えて、言葉の意味や状況を理解する力に問題がある可能性に留意する。
B 園庭では、年齢の低いクラスの児と遊んでいる姿があることから、引っ込み思案である可能性に留意する。
C 発音の不明瞭さがあること、「(リン)ゴ」など、語の一部しか発語できないものもあるという背景には、聴覚に問題がある可能性に留意する。
D 限られた単語の表出しか認められず、保育士の指示も理解できないことがあるという背景には、知的発達に遅れがある可能性に留意する。
ABCD | |
1 | ○○○× |
2 | ○×○○ |
3 | ×○○○ |
4 | ×○×× |
5 | ×××○ |
正解 2
A 〇 適切です。
B × 不適切です。年下と遊んでいることが多いからと言って引っ込み思案の可能性があるとは言えません。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | 〇〇×× |
2 | 〇××〇 |
3 | ×○〇○ |
4 | ×〇○× |
5 | ×××〇 |
正解 4
A × 不適切です。学童期の中盤から後半にかけて形成される凝集性や結束力の高い仲間集団をギャンググループといいます。男子だけのグループである事が多いです。この時期はギャングエイジとも呼ばれ、大人よりも仲間からの承認を求める時期でもあります。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。チャムグループとは学童期の後半から思春期にかけて形成される主に女子同士のグループです。同質性・同一性の高いグループで、違うものは認めない傾向にあります。
D × 不適切です。ピアグループは青年期以降からの友人関係です。お互いの違いを認め合い、自分を築き上げていきます。男女混合だったり年齢幅が広い事もあります。
ABCD | |
1 | 〇〇〇○ |
2 | 〇〇×× |
3 | 〇×○× |
4 | ×〇×○ |
5 | ××○〇 |
正解 5
A × 不適切です。「時間見本法」ではなく「行動目録法」です。
B × 不適切です。「行動目録法」ではなく「時間見本法」です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
ABCD | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇×〇× |
3 | ×○○○ |
4 | ×〇×〇 |
5 | ×××× |
正解 3
A × 不適切です。発達検査や知能検査は、その後の支援計画・治療計画を立てるために集める情報の1つとして実施されます。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
【設問】
次のうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ここでは、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方を性役割分担意識という。性役割分担意識に賛成する者とは「賛成」および「どちらかといえば賛成」を合わせた者とし、反対する者とは「反対」および「どちらかといえば反対」を合わせた者とする。
A 経年推移をみると、性役割分担意識に反対する者の割合は、男女ともに長期的に増加傾向にある。
B どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、女性が男性を上回っている。
C 平成 26 年調査以降、男女ともに性役割分担意識に反対する者の割合が賛成する者の割合を上回っている。
ABC | |
1 | ○〇〇 |
2 | 〇×○ |
3 | 〇×× |
4 | ×○× |
5 | ××○ |
正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、「男性」が「女性」を上回っています。
C × 不適切です。平成26年の男性は賛成、反対ともに46.5%と同じ数値です。
abcd | |
1 | 〇〇〇× |
2 | 〇××〇 |
3 | ○××× |
4 | ×○○○ |
5 | ×○×○ |
正解 2
a 〇 適切です。
b × 不適切です。①身体的虐待、②性的虐待、③ ネグレクト(保護の怠慢)及び④心理的虐待の4種が定められています。
c × 不適切です。最も多いのは「心理的虐待」です。長い間、「身体的虐待」が多い傾向が続いていましたが、平成25年度の調査結果で「心理的虐待」が逆転して、それ以来「心理的虐待」がトップです。
d 〇 適切です。
ABCD | |
1 | 〇〇×× |
2 | 〇×○〇 |
3 | 〇××× |
4 | ×〇○× |
5 | ×〇×〇 |
正解 1
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。自閉スペクトラム症の原因はまだよく分かっていません。
D × 不適切です。知的能力障害の原因は、遺伝子や染色体などの異常があって起きる内的原因によるものと、母体の感染症や薬物の影響、外傷などによって起きる外的原因によるものがあります。