令和3年度 保育試験 過去問題
1 | A:意思B:第一義的責任C:児童福祉施設及び児童福祉事業を運営する団体 |
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2 | A:意思B:民法上の義務C:国及び地方公共団体 |
3 | A:意思B:民法上の義務C:児童福祉施設及び児童福祉事業を運営する団体 |
4 | A:意見B:第一義的責任C:国及び地方公共団体 |
5 | A:意見B:民法上の義務C:国及び地方公共団体 |
正解 4
・ 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その( A 意見 )が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
・ 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて( B 第一義的責任 )を負う。
・ ( C 国及び地方公共団体 )は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。
「児童福祉法」第2条1項~3項参照。
1 | 児童養護施設入所児童のうち、被虐待経験のある子どもは6割を超える。 |
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2 | 里親委託児童のうち、家族との交流がない子どもは7割を超える。 |
3 | 母子生活支援施設への入所理由では、「配偶者からの暴力」が最も多い。 |
4 | 障害児入所施設入所児童の心身の状況において「広汎性発達障害」が最も多い。 |
5 | 自立援助ホームの入所児童等のうち、「LGBT」は1%程度である。 |
正解 4
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。
3 〇 適切です。
4 × もっとも不適切です。障害児入所施設入所児童の心身の状況については、知的障害(74.8%)が最も多いです。
5 〇 適切です。
ABC | |
1 | アウカ |
2 | アエオ |
3 | イウオ |
4 | イエオ |
5 | イエカ |
正解 2
・ 里親及びファミリーホームは、社会的養護を必要とする子どもを、養育者の家庭に迎え入れて養育する「( A ア 家庭養護 )」である。
・ また、社会的養護の担い手として、( B エ 社会的 )な責任に基づいて提供される養育の場である。
・ 社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立し得ない。(中略)家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「( C オ ひらく )」必要がある。
1 | A B |
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2 | A C |
3 | A D |
4 | B C |
5 | C D |
正解 3
A 〇 記述の通りです。
B × 誤りです。
C × 誤りです。
D 〇 記述の通りです。
※自立支援計画は、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設の長に策定が義務づけられています。
児童の親権を行う者は、児童の( A )に際して、体罰を加えることその他民法(明治 29 年法律第 89 号)第 820 条の規定による( B )及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を( C )してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。
ABC | |
1 | アウオ |
2 | アエオ |
3 | アエカ |
4 | イウカ |
5 | イエオ |
正解 5
児童の親権を行う者は、児童の( A イ しつけ )に際して、体罰を加えることその他民法(明治29年法律第89号)第820条の規定による( B エ 監護 )及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を( C オ 懲戒 )してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。
1 | ライフストーリーワークとは、子どもの痛みをやわらげるための、空想のストーリーの構築を支援することである。 |
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2 | ライフストーリーワークでは、写真等の画像は用いず、語ることを子どもに促す。 |
3 | ライフストーリーワークは、子ども自身が自己の生い立ちを正しく理解するための支援である。 |
4 | ライフストーリーワークは、児童相談所の児童心理司が行うものである。 |
5 | ライフストーリーワークの対象となる児童の年齢は、12 ~ 18 歳である。 |
正解 3
1 × 不適切です。ライフストーリーワークは、社会的養育で育った子どもが生い立ちや現状を整理し、主体的に将来に向かえるよう支援することです。
2 × ライフストーリーワークでは、子どもの描いた描画や写真等も用います。
3 〇 適切です。
4 × 不適切です。ライフストーリーワークは、施設や児童相談所の職員、里親支援機関や里親自身なども行います。
5 × 不適切です。ライフストーリーワークは、児童養護施設や里親家庭を巣立った子達のアフターケアの一つとして取り入れることもあります。
※ライフストーリーワーク(LSW)は、施設や里親など社会的養護の下で育つ子を対象に、1970年代にイギリスで始まりました。子どもの日々の生活やさまざまな思いに光を当て、自分は自分であっていいということを確かめること、自分の生い立ちや家族との関係を整理し、過去-現在-未来をつなぎ、前向きに生きていけるよう支援する取組みのことです。
「社会的養護関係施設における親子関係再構築支援の取組に関する調査 報告書(平成28年3月 みずほ情報総研株式会社)」参照。
1 | 児童委員 ――――――――― 福祉事務所 |
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2 | 児童福祉司 ―――――――― 児童相談所 |
3 | 個別対応職員 ――――――― 児童家庭支援センター |
4 | 支援コーディネーター ――― 児童相談所の一時保護所 |
5 | 里親支援専門相談員 ―――― 児童自立支援施設 |
正解 2
1 × 誤りです。児童委員は、市町村の区域に配置されている民間の奉仕者であり、福祉事務所の職員ではありません。
2 〇 記述の通りです。
3 × 誤りです。個別対応職員は、子どものメンタルケアが必要になるケースが多い施設(「乳児院」「母子生活支援施設」「児童養護施設」「児童心理治療施設」「児童自立支援施設」)に配置義務があります。
※心理療法担当職員と第三者評価の受審義務がある施設も同じです。
4 × 誤りです。一時保護所は児童相談所の中の施設で、非行少年、被虐待児、児童養護施設や里親家庭に入る前の子どもが“一時的”にいる場所です。子どもが施設や里親家庭を出る前に、「支援コーディネーター」が子ども本人、施設職員や里親などの意見を聞きながら継続支援計画を策定し、それに基づく支援を提供します。
支援コーディネーターは児童相談所の一時保護所には配置義務はありません。
5 × 誤りです。里親支援専門相談員は、里親委託の推進及び里親支援の充実を図ることを目的として「児童養護施設」と「乳児院」に配置義務があります。
1 | 社会的養護関係施設は、第三者評価を5か年度毎に1回以上受審しなければならない。 |
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2 | 第三者評価は、各施設が独自に作成した基準を用いて実施される。 |
3 | 利用者調査は、任意での実施とされている。 |
4 | ファミリーホーム及び自立援助ホームの第三者評価の受審は努力義務とされている。 |
5 | 社会的養護関係施設は、第三者評価の受審年に限り、自己評価を行わなければならない。 |
正解 4
1 × 不適切です。社会的養護関係施設のうち、「児童養護施設」「乳児院」「児童心理治療施設」「児童自立支援施設」「母子生活支援施設」については、3年に1回の第三者評価の受審が義務付けられています。
2 × 不適切です。第三者評価基準は、都道府県推進組織が作成します。
3 × 不適切です。第三者評価における利用者調査の結果は、第三者評価を取りまとめる上での参考情報となるため行わなければなりません。
4 〇 適切です。
5 × 不適切です。社会的養護関係施設のうち、「児童養護施設」「乳児院」「児童心理治療施設」「児童自立支援施設」「母子生活支援施設」については、毎年の自己評価の実施が義務付けられています。
【事例】
就職して間もないP保育士は、Qホーム(地域小規模児童養護施設)でもう1名のR保育士とS児童指導員で6名の子どもたちの養育を行っている。この6名の子どものうち、T君(中学2年生、男児)は、P保育士と全く話をしようとしない。P保育士は、何度かその後も声をかけ続けたが、無視される状態が続き、T君にどのように関わればよいかわからない状態であった。そこで、S児童指導員に相談をした。
【設問】
次のうち、S児童指導員からP保育士への対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A T君が無視しているのだからP保育士も無視するように指示する。
B P保育士の対応に問題があると指摘する。
C なぜ無視をするのか、その背景にあるものを共に考える。
D S児童指導員が、T君に無視する理由について何気なく聞いてみようかと提案する。
ABCD | |
1 | 〇〇×× |
2 | 〇×〇× |
3 | ×〇〇× |
4 | ××〇〇 |
5 | ×××〇 |
正解 4
A × 不適切です。T君と積極的にかかわることが大切です。無視するように指示するのは、適切ではありません。
B × 不適切です。保育士本人に問題があると指摘するのは、バーンアウト(燃え尽き症候群)につながることもあるため、適切ではありません。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。
【事例】
夫からのDV被害により、Lちゃん(8歳、女児)と3か月前から母子生活支援施設に入所している母親のMさん(20代)は、入所後に始めたアルバイトにも慣れ、家計のやりくりにも自信が持てるようになり、最近ようやく生活が落ち着いてきた。しかし、Mさんは今でも男性を見るとDV被害の場面を思い出して震えてしまうことがある。またMさんのストレスが高まった場面では、Lちゃんを怒鳴ることがあるが、こうした状況の後は必ず職員に「私は悪い親だ」と泣きながら話し、後悔している様子がうかがえる。Lちゃんは突然泣き出したりするなど情緒的に不安定な面が時折見られるが、小学校で仲の良い友人ができ、笑顔で過ごせるようになっている。
【設問】
次のうち、Mさん親子に対する母子生活支援施設の当面の支援として最も適切なものを一つ選びなさい。
1 | MさんのLちゃんに対する対応は、虐待であるとの自覚を強く促す。 |
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2 | 母子の自立支援の観点から、Mさんの就労支援を優先する。 |
3 | DV被害による自己否定からの回復のため、Mさんにエンパワメントの取り組みを行う。 |
4 | Lちゃんを児童養護施設に措置する方向で児童相談所に連絡する。 |
5 | 退所に向けて生活費の管理を母子支援員が行う。 |
正解 3
1 × 不適切です。母親に対し虐待であるとの自覚を強く促すことは、育児に対する自信を低下させてしまうため、適切ではありません。
2 × 不適切です。母子生活支援施設は児童福祉施設なので、まずは子どもを支える役割があり、次に子どもの親を支える必要があります。そのため優先させるのはМさんの就労支援ではなくLちゃんの安心感の確立です。
3 〇 最も適切です。
4 × 不適切です。Lちゃんは情緒的に改善が見られつつあるため、児童養護施設に措置する方向で児童相談所に連絡するのは、適切ではありません。
5 × 不適切です。金銭は母親が管理し、それを職員が支援します。知的障害がある、自己管理が苦手な母親が希望している等のやむを得ない場合に限り金銭の管理を行います。事例の状況において、Mさん親子の生活費の管理を母子支援員が行うのは、適切ではありません。