三幸保育カレッジ

令和4年度 保育試験 過去問題

「社会福祉(後期)」

令和4年度 保育士試験問題(後期)

1

 次のうち、戦前の社会事業と、それに関わりのある人名の組み合わせとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1
2××
3××
4×
5×××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。設問は「石井亮一」についての記述です。
C × 不適切です。設問は「石井十次」についての記述です。
D 〇 適切です。

2

 次のうち、「日本国憲法」の記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 第 11 条では、国民はすべての基本的人権の享有を妨げられないとされる。基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在および将来の国民に与えられるとされる。
  • B 第 12 条では、この憲法が国民に保障する自由および権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならない。また、これを濫用してはならず、常に公共の福祉のために利用する責任を負うとされる。
  • C 第 13 条では、すべての国民は、個人として尊重され、生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とされる。
  • D 第 25 条では、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を認め、それを実現するために、国は、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならないとされる。
1
2×
3××
4××
5×××

正解 1
A~D 〇 適切です。

3

 次のうち、1950(昭和 25)年に発表された「社会保障制度に関する勧告」(通称「50 年勧告」)で位置づけられる社会保険、公的(国家)扶助、公衆衛生及び医療、社会福祉と現在の主な制度の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。

1社会保険 ――――――― 感染症予防
2公的(国家)扶助 ――― 生活保護
3公衆衛生及び医療 ――― 医療保険
4社会福祉 ――――――― 予防接種
5社会福祉 ――――――― 介護保険

正解 2
1 × 不適切です。感染症についての記載はありません。
2 〇 適切です。「第2編 国家扶助」
3 × 不適切です。医療保険は「第1編 社会保険」です。
4 × 不適切です。予防接種は「第3編 公衆衛生及び医療」です。」
5 × 不適切です。介護保険は2000年に創設されたため、1950(昭和25)年の「社会保障制度に関する勧告」に記載はありません。

4

 次のうち、社会福祉の理念に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 権利擁護とは、当事者が持っている権利を擁護し、虐待や差別等から当事者を守ることである。
  • B エンパワメントとは、当事者自身が力を得て、自らの力で問題を解決していけるように側面的に支援することを意味している。
  • C ソーシャル・インクルージョンとは、国民に対して最低限度の生活を保障すること(最低生活保障)である。
  • D ノーマライゼーションとは、障害の有無にかかわらず、だれもが地域で普通に暮らせる社会を目指す理念である。
1×
2×
3×
4××
5××××

正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。設問は「ナショナル・ミニマム」の説明です。ソーシャル・インクルージョンとは、社会的包含あるいは社会的包摂等と訳され、社会的に排除されやすい人々を地域社会の中で支え合い、助け合いながら暮らしていこうとする考え方です。
D 〇 適切です。

5

 次のうち、子ども家庭支援の目的に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 保護者が子どもの育ちの阻害要因になっている場合であっても、親子関係を支援する目的から、決して介入してはならない。
  • B 保護者への相談・援助活動は、社会福祉援助技術におけるバイステックの7原則等を理解し、応用していく姿勢が求められる。
  • C 家庭支援、子育て支援とは、地域の子育て拠点や相談支援体制の整備のことであり、出産を含む医療保険制度や、各種手当制度などは含まれない。
  • D 子育て家庭は地域の中で生活していることから、親子、家庭と地域社会との関係を構築するという視点が重要となる。
1××
2××
3××
4××
5×××

正解 3
A × 不適切です。保護者が子どもの育ちの阻害要因になっている場合は、積極的に介入し、保護者を支援していく必要があります。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。家庭支援、子育て支援には、妊婦健診の助成、出産育児一時金、出産手当金、児童手当、児童扶養手当、育児休業給付金などの各種手当制度も含まれます。
D 〇 適切です。

6

 次のA~Dは、児童福祉に関連する法令である。これらを制定順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」 
  • B 「子ども・子育て支援法」
  • C 「児童虐待の防止等に関する法律」
  • D 「次世代育成支援対策推進法」
1B→C→A→D
2C→D→A→B
3C→D→B→A
4D→C→A→B
5D→C→B→A

正解 2  
C→D→A→B
A 2006(平成18)年 「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」
B 2012(平成24)年 「子ども・子育て支援法」
C 2000(平成12)年 「児童虐待の防止等に関する法律」
D 2003(平成15)年 「次世代育成支援対策推進法」

7

 次のうち、児童相談所が受け付ける相談として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 児童の障害に関する相談
  • B 児童の保健に関する相談
  • C 不登校に関する相談
  • D 里親希望に関する相談
1
2×
3×
4××
5×××

正解 1
「児童相談所運営指針」第1章 第4節「相談の種類とその対応」
A 〇 適切です。児童の障害に関する相談は「障害相談」です。
B 〇 適切です。児童の保健に関する相談は「保健相談」です。
C 〇 適切です。不登校に関する相談は「育成相談」です。
D 〇 適切です。里親希望に関する相談は「その他の相談」です。

8

 次のうち、「社会福祉法」第2条に基づく、児童福祉施設の第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の組み合わせとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 助産施設 ――――――――― 第一種社会福祉事業
  • B 母子生活支援施設 ――――― 第一種社会福祉事業
  • C 保育所 ―――――――――― 第二種社会福祉事業 
  • D 児童家庭支援センター ――― 第二種社会福祉事業
1
2×
3××
4×
5×××

正解 4
A × 不適切です。「児童福祉法」に規定された「助産施設」「保育所」「児童厚生施設」「児童家庭支援センター」を経営する事業が第二種社会福祉事業です。
B 〇 適切です。
C 〇 適切です。
D 〇 適切です。

9

 次のうち、社会福祉施設に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 授産施設は、「生活保護法」に基づく保護施設である。
  • B 児童厚生施設の一つに児童遊園が規定されている。
  • C 母子・父子福祉センターおよび母子・父子休養ホームは、「児童福祉法」に基づく児童福祉施設である。
1×
2×
3××
4××
5×××

正解 1
A 〇 適切です。「生活保護法」第38条第5項
B 〇 適切です。「児童福祉法」第40条
C × 不適切です。「児童福祉法」ではなく「母子及び父子並びに寡婦福祉法(第39条)」です。

10

 次のうち、保育士の業務等に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 保育士が児童への虐待を発見した場合は、児童相談所等への通報を匿名で行うことができる。
  • B 家庭支援専門相談員は、保育士資格がなくてもその職に就くことができる。
  • C 保育士となる資格を有する者は、資格取得後1年以内に保育士登録申請手続きをしなければ、その効力を失う。
1
2×
3×
4×
5××

正解 2
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)は、児童養護施設で児童養育業務に5年以上従事した経験があるか、「社会福祉士」「精神保健福祉士」の資格を保持している必要があります。
3 × 不適切です。保育士登録申請手続きを行わなくても保育士資格は失いませんが、保育として働くためには保育士証が必要です。

11

 次のうち、相談援助の展開過程の中の「ケースの発見」に関する記述として、最も不適切な記述を一つ選びなさい。

1ケースの発見の契機は、直接の来談、電話での受付、メールによる相談、訪問相談等、様々である。
2利用者の能力や態度が相談援助の展開過程を左右することはある。
3接近困難な利用者が地域にいる場合、援助者は利用者の来訪を待つ姿勢が必要である。
4地域の関係機関等と日頃から連携を強め、ケースの早期発見に努めることは必要である。
5利用者と援助者との好ましい信頼関係を構築することは重要なテーマである。

正解 3
1 〇 適切です。
2 〇 適切です。
3 × 最も不適切です。利用者の来訪を待つのではなく、援助者が積極的に出向いて働きかける(=アウトリーチ)ことでニーズ発見へとつながります。
4 〇 適切です。
5 〇 適切です。

12

 次のうち、相談援助の展開過程の説明として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A インテークとは、支援者が利用者と信頼関係を構築する過程であり、主訴の提示、支援者の所属する機関や施設の説明、契約等を行う。
  • B アセスメントでは、利用者の状況や利用者の抱える困難の原因や背景を明らかにし、問題解決に向けての状況を理解するために、必要な情報を収集し、それを整理し、分析を行う。
  • C プランニングでは、アセスメントに基づき、問題解決に向けての目標を設定し、実際の支援をどのように行うかなど、具体的な支援内容を計画する。
  • D モニタリングとは、支援計画やそれに基づく支援の最終的な評価を行う段階である。
1×
2×
3××
4××
5×××

正解 1
A~C 〇 適切です。
D × 不適切です。設問は「エバリュエーション」の説明です。

13

 次のうち、相談援助の専門性とその進め方に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 相談援助において、自己決定は最も重要な原則の一つである。
  • B 相談援助は、密室の相談室でのみ行われるものをいう。
  • C 相談援助は、相談援助者のペースによって進められなければならない。
1
2×
3××
4×
5××

正解 3
A 〇 適切です。
B × 不適切です。クライエントを取り巻く環境や、利用できるサービスなどにも目を向けてアプローチをするため、密室の相談だけではありません。
C × 不適切です。クライエントのペースに合わせて進めることが重要です。

14

 次のうち、相談援助の方法・技術とその説明として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A チームアプローチとは、専門職でチームを形成し目標に向かって、チームの強みを意識し、意図的に活用して支援することをいう。
  • B 社会福祉調査法は、社会福祉に関する実態(福祉ニーズや問題の把握)、社会福祉サービスや政策の評価、個別ケースにおける支援の効果測定などを目的とする調査の総称である。
  • C ソーシャルアクションとは、支援の必要な状況であるにもかかわらず、それを認識していない、あるいは支援につながっていない利用者に対して、ソーシャルワーカーから援助につなげるためのはたらきかけを行うことである。
1
2×
3×
4×
5×××

正解 2
A 〇 適切です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。設問は「アウトリーチ」の説明です。ソーシャルアクションとは社会問題の解決のために制度の創設などを求める活動のことです。

15

 次のうち、ソーシャルワークの方法・技術に関する組み合わせとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1
2×
3×
4×
5××××

正解 2
A~C 〇 適切です。
D × 不適切です。スーパービジョンとは、施設長や基幹的職員(スーパーバイザー)が、経験の浅い職員や問題を抱えている職員(スーパーバイジー)に対して、その能力を最大限に生かしてよりよい支援ができるように援助することです。

16

 次のうち、「社会福祉法」で定めている福祉サービスの情報提供等に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 社会福祉事業の経営者に対して、福祉サービスの利用者が、適切かつ円滑に福祉サービスを利用することができるように、その経営する社会福祉事業に関する情報の提供を行うよう努めなければならないと定めている。
  • B 国と地方公共団体に対して、福祉サービスを利用しようとする者が必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定めている。
  • C 利用者から実際に福祉サービスの利用契約の申込みがあった場合、社会福祉事業の経営者は、利用者に対して、福祉サービスを利用する事項について説明するように努めなければならないと定めている。
  • D 社会福祉事業の経営者は、利用契約が成立した際に、利用者に対して、定められた事項を記載した書面を交付しなければならないと定めている。
1
2××
3××
4×
5×××

正解 1
A~D 〇 適切です。

17

 次のうち、成年後見制度に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 

  • A 成年後見制度の国の所管は、総務省である。
  • B 成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害等により、判断能力が不十分な人の判断能力を補い、本人の保護と権利擁護を図るための法律上の制度である。
  • C 法定後見制度および任意後見制度は、それぞれ「民法」に基づいている。
  • D 法定後見制度に関する申し立てをすることができる者は、本人、配偶者、4親等内の親族のみである。
1××
2××
3×
4×××
5××

正解 4
A × 不適切です。「総務省」ではなく「法務省」です。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。法定後見は根拠法令が「民法」ですが、任意後見は「任意後見契約法」に定められています(任意後見契約法第1条)。
D × 不適切です。申立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、任意後見受任者、成年後見監督人等、市区町村長、検察官です。

18

 次のA~Dは、障害者に関する施策である。これらを年代の古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の成立(障害者自立支援法の改正)
  • B 「障害者プラン~ノーマライゼーション7か年戦略~」の策定
  • C 「障害者基本法」の成立(心身障害者対策基本法の改正)
  • D 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」の成立
1A→C→D→B
2B→A→D→C
3C→A→D→B
4C→B→D→A
5D→B→C→A

正解 4
C→B→D→A
A 2012(平成24)年 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の成立
B 1995(平成7)年 「障害者プラン~ノーマライゼーション7か年戦略~」の策定
C 1993(平成5)年 「障害者基本法」の成立
D 2011(平成23)年 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」の成立

19

 次のうち、社会福祉協議会に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 社会福祉協議会は、「社会福祉法」に基づく地域福祉の推進を図ることを目的とする民間組織であるため、介護保険事業等の収益事業を行うことはできないとされている。
  • B 社会福祉協議会は、市区町村、都道府県・指定都市、全国の各段階に組織されている。
  • C 社会福祉協議会は、その活動に要する財源のすべてが国および都道府県の補助金によって賄われている。
  • D 社会福祉協議会は、地域の人々が住み慣れたまちで安心して生活することのできる「福祉のまちづくり」の実現を目指した様々な活動を行っている。
1××
2××
3××
4××
5××

正解 4
A × 不適切です。社会福祉協議会は社会福祉法人なので、公益事業又は収益事業を行うことができます。
B 〇 適切です。
C × 不適切です。会員からの会費、個人や企業等の寄付金といった民間財源のほか、共同募金の配分金、町からの補助金や事業委託金等が財源となっています。 介護保険(通所介護サービス)などの事業は、サービス事業者として、その事業収入で運営されています。
D 〇 適切です。

20

 次の文は、「社会福祉法」第4条(地域福祉の推進)の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 地域住民等は、地域福祉の推進に当たつては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(中略)、( A )、住まい、( B )に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの( C )その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(中略)を把握し、( D )の解決に資する支援を行う関係機関(中略)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。

1A:生活困窮B:就労及び教育C:疎外D:生活福祉課題
2A:保健医療B:余暇及び健康C:疎遠D:利用援助課題
3A:社会活動B:雇用及び学習C:疎遠D:地域生活課題
4A:保健医療B:就労及び教育C:孤立D:地域生活課題
5A:社会活動B:雇用及び学習C:孤立D:生活福祉課題

正解 4
地域住民等は、地域福祉の推進に当たつては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(中略)、( A 保健医療 )、住まい、( B 就労及び教育 )に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの( C 孤立 )その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(中略)を把握し、( D 地域生活課題 )の解決に資する支援を行う関係機関(中略)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。